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耐熱電線の基準

 
平成九年十二月十八日
消防庁告示第十一号

消防法施行規則(昭和三十六年自治省令第六号)第十二条第一項第五号ロただし書の規定に基づき、耐熱電線の基準を次のとおり定める。
耐熱電線の基準
第一 趣旨
この告示は、消防法施行規則(昭和三十六年自治省令第六号)第十二条第一項第五号ロただし書に規定する電線(以下「耐熱電線」という。)の基準を定めるものとする。
第二 用語の意義
この基準において、次の各号に掲げる用語の意義は、それぞれ当該各号に定めるところによる。
一 電線 弱電流電気の伝送に使用する電気導体(以下「導体」という。)、絶縁物で被覆した導体又は絶縁物で被覆した上を保護被覆で保護した導体をいう。
二 高難燃ノンハロゲン耐熱電線 耐熱電線のうち、絶縁物、保護被覆を構成する材料にハロゲン(ふっ素、塩素、臭素、よう素及びアスタチンをいう。)を含まないものをいう。
第三 一般性能
耐熱電線の一般性能は、次に定めるところによる。
一 耐熱電線は、電気設備に関する技術基準を定める省令(平成九年通商産業省令第五十二号)の規定に適合するものであること。
二 保護被覆の難燃性は、JIS(工業標準化法(昭和二十四年法律第百八十五号)第十七条第一項の日本工業規格をいう。以下同じ。)C三〇〇五の傾斜試験を行った場合において、六十秒以内に炎が自然に消えるものであること。
第四 耐熱性能
耐熱電線は、次の表の上欄に掲げる電線の種類に応じ、同表の下欄に掲げる試験を行った場合において、それぞれ合格するものでなければならない。
電線の種類
試験
耐熱電線(高難燃ノンハロゲン耐熱電線を除く。)
耐熱試験
高難燃ノンハロゲン耐熱電線
耐熱試験及び高難燃ノンハロゲン性試験
第五 耐熱試験
耐熱試験は、第一号に規定する試験体について、第二号に規定する加熱炉を用いて、第三号に規定する加熱方法により加熱を行い、第四号に規定する判定を行うものとする。
一 試験体
試験体は、別図第一に示す方法により、長さ一・三メートルの電線を縦三百ミリメートル、横三百ミリメートル、厚さ十ミリメートルのけい酸カルシウム板等(けい酸カルシウム板又はこれと同等以上の耐熱性を有する板をいう。以下同じ。)に固定線(電線を固定するために使用する太さ一・六ミリメートルの金属線をいう。以下同じ。)で二重巻きにして取り付け、その中央部に自重の二倍の荷重をかけたものであること。
二 加熱炉
加熱炉は、次に適合するものであること。
(一) 構造は、別図第二に示す構造又はこれに準じた構造であること。
(二) 燃料は、ガス事業法(昭和二十九年法律第五十一号)又は液化石油ガスの保安の確保及び取引の適正化に関する法律(昭和四十二年法律第百四十九号)の適用を受けるガスであること。
(三) 試験体を挿入しない状態で加熱した場合において、三百八十度プラスマイナス三十八度の温度を十五分間以上保つことができるものであること。
三 加熱方法
加熱方法は、試験体を別図第二に示す位置に挿入し、JISA一三〇四の標準曲線の二分の一とした曲線に準じて十五分間加熱すること。この場合において、炉内の温度は、JISC一六〇二の〇・七五級以上の性能を有するK熱電対及び連続温度記録計を用いて、別図第三に示す位置において測定し制御を行うこと。
四 判定
耐熱試験の結果の判定は、試験体が次に掲げる条件に適合しているものを合格とすること。
(一) 絶縁抵抗は、次の表の上欄に掲げる電線の構造に応じ、同表の下欄に掲げる箇所において、直流五百ボルトの絶縁抵抗計で五分間ごとに測定した値が、加熱前にあっては五十メガオーム以上、加熱中にあっては〇・一メガオーム以上であること。
電線の構造
箇所
多心であって各導体がしゃへいされていないもの
絶縁された導体と固定線との間及び絶縁された導体相互間
その他のもの
絶縁された導体と固定線(しゃへい物又は金属製保護被覆を有する電線にあっては、しゃへい物又は金属製保護被覆。(二)において同じ。)との間
(二) 絶縁耐力は、線心を一括したものと固定線との間に、五十ヘルツ又は六十ヘルツの正弦波に近い実効電圧二百五十ボルトの交流電圧を加えた場合において、短絡しないものであること。
(三) 保護被覆は、加熱を終了した後において、加熱炉の内壁から測定して百五十ミリメートル以上燃焼していないこと。
第六 高難燃ノンハロゲン性試験
高難燃ノンハロゲン性試験は、次の各号に定めるところにより電線の高難燃性試験、発煙濃度試験及び燃焼時発生ガス試験を行い、そのいずれにも適合するものを合格とする。
一 高難燃性試験
(一) 試験方法は、JISC三五二一によること。
(二) 試験体が上端まで燃焼していないこと。
二 発煙濃度試験
(一) 試験体は、電線の絶縁物及び保護被覆と同一の材料の縦七十六ミリメートル、横七十六ミリメートル、厚さ〇・五ミリメートルプラスマイナス〇・一ミリメートルのシートで、加熱表面以外の部分をアルミ箔で覆ったものであること。
(二) 試験装置は、次に適合するものであること。
イ 構造は、別図第四に示す構造又はこれに準じた構造であること。
ロ 試験箱は、内面に腐食を防止する措置を講じた金属で造られたものとすること。
ハ 輻射加熱炉は、直径七十六ミリメートルの開口部を有する電気炉であること。
ニ 試験体ホルダーは、試験体が容易に着脱できるものであって、試験体の縦六十五ミリメートル、横六十五ミリメートルの範囲を加熱することができるものであること。
(三) 試験方法は、次によること。
イ 試験体と同じ大きさのけい酸カルシウム板等を試験体の裏面に付して試験体ホルダーに取り付け、輻射加熱炉により、試験体の中央部の直径約三十八ミリメートルの範囲に一平方センチメートル当たり平均二・五ワットの輻射エネルギーを放射して、試験体を二十分間加熱し、この間の光の最小透過率を測定すること。
ロ 試験は、それぞれ別の試験体を用いて三回行うこと。
(四) 次の式により求めた発煙濃度の平均が、百五十以下であること。
s=V/(A・L)log10100/T
sは、発煙濃度
Vは、試験箱内容積(単位 立方ミリメートル)
Aは、試験体の加熱表面積(単位 平方ミリメートル)
Lは、光路長(単位 ミリメートル)
Tは、光の最小透過率(単位 パーセント)
三 燃焼時発生ガス試験
(一) 試験体は、電線の絶縁物及び保護被覆と同一の材料二グラムを細かく裁断したものであること。
(二) 試験装置は、次に適合するものであること。
イ 構造は、別図第五に示す構造又はこれに準じた構造であること。
ロ 空気ボンベは、JISK〇〇五五のゼロガス相当の乾燥空気を用いること。
ハ 燃焼皿は、加熱により気体を発生又は吸収しないものであること。
ニ 加熱炉は、石英管内の試験体及び燃焼皿を七百五十度以上に加熱することができるものであること。
ホ ガス洗浄容器は、水素イオン濃度五以上七以下の水百七十ミリリットルを満たした内径五十ミリメートル以上六十ミリメートル以下の容器であること。この場合において、石英管から排出される気体を内径四ミリメートル以上六ミリメートル以下のガラス管で水面下五十ミリメートルの位置に導くことができるものであること。
(三) 試験方法は、次によること。
イ 加熱炉で七百五十度以上八百五十度以下に加熱した石英管の中央に試験体をのせた燃焼皿を置き、空気ボンベの乾燥空気を一時間当たり十リットルプラスマイナス三リットルの流量で石英管の一端から供給し、他端からガス洗浄容器へ排出すること。
ロ ガス洗浄容器内の水素イオン濃度を乾燥空気の供給を開始してから三十分間測定すること。
ハ 試験は、それぞれ別の試験体を用いて三回行うこと。
(四) ガス洗浄容器内の水素イオン濃度の最小値の平均が三・五以上であること。
第七 表示
耐熱電線には、次の各号に掲げる事項を見やすい箇所に容易に消えないように表示するものとする。
一 製造者名又は商標
二 製造年
三 耐熱電線である旨の表示
四 高難燃ノンハロゲン耐熱電線にあっては、NH
附 則
 1 この告示は、公布の日から施行する。
 2 昭和六十一年消防庁告示第十号は、廃止する。

 別図第1 試験体
 (イ) 電線の外径が15o未満のもの
 (単位 ミリメートル)
 (ロ) 電線の外径が15o以上30o未満のもの
 (ハ) 電線の外径が30o以上のもの
備考:@ 平形の電線の場合は電線外径はその短径とする。
また、電線の長径部分をけい酸カルシウム板等に接触するように試料を取り付ける。
A 荷重はけい酸カルシウム板等の下端より下にくるように取り付ける。

 別図第2 加熱炉
 (単位 ミリメートル)

 別図第3 温度測定位置
 (イ) 電線の外径が15o未満のもの
 (単位 ミリメートル)
(ロ) 電線の外径が15o以上30o未満のもの
(ハ) 電線の外径が30o以上のもの
備考:○A、○B点はけい酸カルシウム板等の中央位置上にあるものとし、試験する際には○B点がJISA1304に定める標準曲線に準じて加熱するように調整する。

 別図第4 密閉燃焼試験装置

 別図第5 燃焼時発生ガス試験装置

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