第1章 災害の現況と課題 

(5)放火火災防止対策の推進

 放火による火災は、平成9年以降5年間連続して出火原因の第1位となっており、放火の疑いによる火災を合わせると全火災の2割以上を占め、年々増加する傾向にある。特に、都市部においては、火災原因の4割を超える都市もあるなど、この傾向が顕著で、深刻な社会問題となっている。
 このため、消防庁では、地域における放火火災の実情の分析やその特性等に応じた放火防止対策を行う先進市町村の事例等をもとに放火防止対策要綱を策定するほか、関係機関との連携を強化して放火発生件数の低減と被害の局限化等を図るための対策を一層推進することとしている。
 近年の放火は、相手と場所を選ばない無差別なものが多い。このため、一人ひとりが防火対策を心掛けるだけでなく、地域における放火火災予防対策の推進も重要である。それぞれの地域社会を構成する地域住民自らが放火火災に対する危機感を持ち、「自分たちの地域は自分たちで守る」という意識のもとに、消防機関をはじめ、関係行政機関、関係団体、町内会等が一体となって地域ぐるみの対策の推進を積極的に図っていくことが必要である。その際、学校・自治会等における火災予防教育の実施や放火火災予防診断、座談会等を実施するなど、「放火火災予防対策マニュアル」等を活用して、地域住民の意識の高揚を図り、放火されない環境づくりを推進する必要がある。
 また、特に放火が多発する地区等にあっては、可燃物を放置しない等の地域の環境整備はもとより、重点警戒の実施や街灯の増設、侵入監視センサー、警報器等の防火・防犯設備の設置、自動車・オートバイカバーの防炎化を推進することなども必要である。


 

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