第2章 消防防災の組織と活動 

4 消防体制の整備の課題

(1)消防力の重点的整備

ア 消防の広域再編の推進
 昭和40年代以降、消防事務の高度化・専門化への対応を背景として、一部事務組合の設置を中心として消防の広域化が推進されてきた。
 全国の消防本部は、管轄人口でみれば極めて多様で、中でも管轄人口が10万人に満たない消防本部が全体の約3分の2を占めている現状にあり、小規模消防本部の広域再編など組織面での消防の対応力の強化を推進する必要がある。
 このため消防庁では、平成6年9月に消防の広域化を進めるための基本計画の作成を都道府県に要請し、さらに、平成13年3月には市町村合併との整合性を確保しながら消防の広域再編を推進するため、「消防広域化基本計画の見直しに関する指針」を策定した。
 なお、これらの施策と併せ、広域再編を実施するにあたっての具体的な助言、情報の提供等を行う「消防広域再編アドバイザー制度」を設けるほか、市町村合併との整合性が確保されていることなど、一定の要件を満たした地域を「広域化重点支援消防」として指定し、補助金の優先配分をはじめとする各種の財政支援を講じ、消防の広域再編を一層推進している。

イ 消防力の整備
 近年の消防に対するニーズの増大、多様化等に適切に対応するため、消防の施設及び人員の効率的、重点的な整備充実を図り、消防力の整備を一層進める必要がある。
 消防庁は、市町村が消防施設及び人員を整備するに当たっての指針として「消防力の基準」及び「消防水利の基準」を示している。市町村は、市街地の人口、都市構造、過去の火災発生状況等の地域の実情を考慮して、水準を決定することとなる。
 「消防力の基準」は、昭和36年の制定以来、市町村の消防力の充実強化に大きな役割を果たしてきたが、近年の消防需要の変化に対応し、市町村の自主性を尊重したものとするため、平成12年1月に全部改正が行われた。各市町村においては、「消防力の基準」を踏まえるとともに、地域の実情を考慮して、整備すべき消防力の水準が定められ、消防施設等の整備が進められている。「消防力の基準」については、地方分権の趣旨にかんがみ、各市町村で消防力の確保を図るための指針としての性格を踏まえつつ、消防行政を取り巻く状況の変化に応じた見直しを行うとともに、分かりやすく簡素化を図る等、今後も更なる見直しを進める。
 消防職員については、地域の実情に即して、一層効果的、重点的な人員配置と機動力の強化に努めるとともに、教育訓練を更に充実し、資質の向上を図る必要がある。
 消防団員については、平成12年から「消防力の基準」にも大規模災害時における災害防除活動や平常時における地域住民に対する啓発等が消防団の業務として明示されたところであるが、消防団活動への参加を一層促進していく必要がある。
 一方、消防水利については、自然水利を積極的に活用するとともに、防火水槽や大型の耐震性貯水槽の設置を促進し、これらと消火栓を適切に組み合わせて設置することにより、水利の多元化を一層促進する必要がある。

ウ 消防財源の強化
 消防力は逐年強化されているものの、複雑多様化している災害への対応力を強化するためには、その整備を一層推進する必要がある。
 消防力の充実強化の基礎となる消防財源については、地方交付税における消防費の基準財政需要額を逐年増額するとともに、国庫補助金の確保等なお一層その充実を図っていく必要がある。

 

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