緊急報告II 多発する企業災害とその対応 

緊急報告II 多発する企業災害とその対応

 危険物施設等の火災漏えい事故は、平成12年に過去最悪となる511件を記録した後、ほぼ同水準で高止まりの状態を推移しており、危険物施設等における災害の動向は、憂慮すべき事態となっている。(第1図)
 またその要因としては、火災については設備の機能維持が不適切である等の管理不十分、あるいはバルブ開閉状況の確認忘れ等の確認不十分といった人的要因によるものが多数を占めており、漏えいに関しては、人的要因に加えて腐食等施設の経年劣化によるものが多いことが特徴となっている。
 こうした中今年に入り、我が国を代表する企業の危険物施設を含めた産業施設での火災事故等が続発し、大規模な被害をもたらしている。(第1表)
 7月には、新日本製鐵株式会社八幡製鐵所において、溶鋼鍋が横倒しとなり流出した高温の銑鉄により、死者1名、負傷者2名を出す等の火災事故となった。
 8月には、三重ごみ固形化燃料(RDF)発電所の火災においては、消火活動に当たっていた消防職員2名が殉職した。また、エクソンモービル有限会社名古屋油槽所において、改造工事中のタンクから出火し、死者6名、負傷者1名を出す惨事となった。
 9月には、新日本製鐵株式会社名古屋製鐵所の燃料用ガスのガスホルダーが爆発炎上し、作業員15名が負傷するほか、周辺民家の窓ガラスが割れるなどの被害が発生した。また、株式会社ブリヂストン栃木工場のタイヤ原料製造工場において、精錬ミキサー付近から出火し、当該工場を全焼させた火災が発生した。さらに、平成15年十勝沖地震後において、出光興産株式会社北海道製油所にて、多数の屋外貯蔵タンクの損傷や油漏れ等の被害が発生し、長期間にわたり2次災害防止のための対策が必要となった。また、浮き屋根式タンク2基に火災が発生し、特に2度目の火災は全面火災となり、鎮火までに多大な時間と消防力を要するとともに、施設周辺の住民生活に大きな影響を及ぼした。
 このような一連の産業事故を受け、消防庁としては、今後の産業事故防災体制の構築に向け、以下の通り取り組んでいる。

 
第1図 危険物施設における火災・漏えい事故件数の推移
 
(株)ブリヂストン栃木工場(黒磯那須消防組合消防本部提供)
 
出光興産(株)北海道製油所

 

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