第1章 災害の現況と課題 

(9)住宅火災による死者の半数以上が高齢者

 平成15年中の住宅(一般住宅、共同住宅及び併用住宅をいう。以下同じ。)火災による死者1,280人のうち、放火自殺者、放火自殺の巻き添えとなった者及び放火殺人により殺された者(以下「放火自殺者等」という。)239人を除く失火等による死者は1,041人となっており、前年(992人)に比べ49人(4.9%)増加した。また、このうち65歳以上の高齢者は589人(全体の56.6%)と半数を超えている(第1−1−15図、第1−1−13表、附属資料15)。
 
第1-1-15図 住宅火災の件数及び死者の推移(放火自殺者等を除く。)
 
第1-1-13表 建物火災による死者のうち住宅火災による死者数(放火自殺者等を除く。)

ア 死者発生は高齢者層で著しく高い
 平成15年中の住宅火災による死者(放火自殺者等を除く。)について、年齢階層別の人口10万人当たりの死者発生数は、年齢が高くなるに従って著しく増加しており、特に81歳以上の階層では、最も低い16歳から20歳の階層に比べ32.7倍となっている。
 また、5歳以下の乳幼児の死者発生数は、16歳から20歳の階層と比べると約3.1倍となっている(第1−1−16図)。
 
第1-1-16図 住宅火災における年齢階層別死者発生状況(放火自殺者等を除く。)

イ たばこを発火源とした火災による死者が19.2%
 平成15年中の住宅火災による死者(放火自殺者等を除く。)を発火源別にみると、たばこによるものが200人(全体の19.2%)で最も多く、次いでストーブ139人(同13.4%)、こんろ71人(同6.8%)となっており、これらを合わせると住宅火災による死者1,041人の39.4%を占めている。
 また、65歳以上の高齢者についても同様にたばこ、ストーブ及びこんろを発火源とした火災による死者が多く、65歳以上の高齢者の死者数589人の42.6%を占めている(第1−1−17図)。
 
第1-1-17図 住宅火災の発火源別死者数(放火自殺者等を除く。)

ウ 寝具類、衣服に着火した火災での死者が多い
 平成15年中の住宅火災による死者(放火自殺者等を除く。)を着火物(発火源から最初に着火した物)別にみると、寝具類及び衣類に着火した火災による死者が236人で、死者数1,041人の22.7%を占めている。また、65歳以上の高齢者についても同様に寝具類及び衣類に着火した火災による死者が多く、65歳以上の高齢者の死者数589人の24.3%を占めている(第1−1−18図)。
 
第1-1-18図 住宅火災の着火物別死者数(放火自殺者等を除く。)

エ 死者の44.7%が就寝時間帯
 平成15年中の住宅火災による死者(放火自殺者等を除く。)を時間帯別にみると、就寝時間帯である22時から翌朝6時までの間の死者が465人であり、住宅火災の死者1,041人の44.7%を占めている(第1−1−19図)。
 
第1-1-19図 住宅火災における時間帯別死者数(放火自殺者等を除く。)

オ 木造住宅における死者が71.4%と圧倒的に多い
 平成15年中の住宅火災による死者(放火自殺者等を除く。)を建物構造別にみると、木造建築物における死者が743人であり、住宅火災の死者1,041人の71.4%を占めている。また、65歳以上の高齢者についても同様に住宅火災の死者589人の77.4%(456人)を占めている(第1−1−20図)。
 
第1-1-20図 住宅火災の建物構造別死者数(放火自殺者等を除く。)

カ 逃げ遅れによる死者が68.4%と圧倒的に多い
 平成15年中の住宅火災による死者(放火自殺者等を除く。)を死に至った経過の発生状況別にみると、逃げ遅れが712人(全体の68.4%)と最も多く、次いで着衣着火が56人(同5.4%)、出火後再進入が25人(同2.4%)の順となっている(第1−1−21図)。
 
第1-1-21図 住宅火災の死に至った経過別死者発生状況(放火自殺者等を除く。)

 第1節 火災予防

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