第1章 災害の現況と課題 

浮き屋根式屋外貯蔵タンクの構造と地震対策

 浮き屋根式屋外貯蔵タンクは、貯蔵油にポンツーンと呼ばれる浮きが付いた屋根を浮かべた構造となっており、貯蔵危険物の増減に伴って屋根が上下動します。
 平成15年9月26日の十勝沖地震においては、「やや長周期地震動」の影響により、液面の揺動(スロッシング)にあわせて浮き屋根も上下動したことに伴い、苫小牧市の出光興産(株)北海道製油所で屋外タンク貯蔵所浮き屋根外縁部でリング状の火災(リング火災)が発生、さらに、その2日後には、地震時の損傷で浮き屋根が沈下していた別の屋外タンク貯蔵所で露出していた油面全体の火災(全面火災)が発生し、鎮火までに44時間を要したほか、全国規模での緊急消防援助隊の出動、泡原液の全国規模での調達を実施する大災害となりました。
 その後消防庁が実施した火災原因調査により、着火源として、第一の火災であるリング火災では、浮き屋根と他の設備との衝突等による火花が、また第二の火災であるタンク全面火災では静電気の可能性が考えられました。いずれにしても、やや長周期地震動の影響によるタンク火災防止のためには浮き屋根の耐震機能強化が最も重要な対策と言えます。
 そこで消防庁では、浮き屋根式屋外貯蔵タンクの地震時安全対策について検討を行いました。
 この検討を受け、浮き屋根の損傷・沈没による事故を低減するため、今後、「やや長周期地震動」の影響により浮き屋根が損傷・沈没しないよう、浮き屋根の構造強化を図る予定です。
 また、現行の耐震基準制定以前に設置された旧基準の屋外タンク貯蔵所は、平成6年及び平成11年の政令改正により、タンクの容量に応じて期限を定め、構造及び設備を新基準に適合させること(耐震改修すること)とされていましたが、近年、発生が危惧されている大規模地震に備え、改修期限を2〜3年それぞれ繰り上げるよう関係政令を改正し、平成16年10月1日より施行されました。
 
浮き屋根式屋外貯蔵タンクの構造
 
屋外タンク全面火災の状況

 第3節 石油コンビナート災害対策

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