第1章 災害の現況と課題 

[震災対策の課題]

1 防災基盤の整備と耐震化の推進

 阪神・淡路大震災においては、建築物の倒壊等による被害総数が約52万棟に及んだほか、交通網の寸断、ライフラインの機能停止など大規模な被害が発生し、住民の生命、身体、財産を守る優れた都市環境の整備、地震に強いまちづくりが極めて重要であることが改めて認識された。
 このため、平成7年度に地震防災対策特別措置法が制定され、同法に基づき都道府県においては平成8年度から平成12年度までの地震防災緊急事業五箇年計画を策定し、地域の防災機能の向上を図るべく事業を進めてきたが、これを実施する都道府県及び市町村においては近年の財政事情の悪化等により、防災基盤の整備は計画どおりに進められていない状況にある(達成率76.3%)。
 このような中で、災害に強い防災基盤の整備を図るためには、引き続き、平成13年度から17年度までを計画期間とする第2次地震防災緊急事業五箇年計画に基づく事業を積極的に推進する必要がある。
 特に、大規模災害時において、避難所や災害対策の拠点となる公用・公共施設、公立学校、福祉施設などの耐震化については、各種国庫補助制度による助成のほか、単独事業として行われる耐震改修事業に対し、地方債と地方交付税による財政支援を行っている。しかしながら、その耐震改修の進捗率は、平成15年4月1日現在で約54%にとどまっていることから、避難所に指定されている施設や災害対策の拠点となる庁舎等を中心に、早急かつ計画的に取り組む必要がある(消防庁の調査結果によれば、地方公共団体では、平成16年度から平成19年度までに、学校施設をはじめとした公共施設約7,400棟の耐震改修を実施する計画である)。
 また、個人住宅についても、阪神・淡路大震災の死者の8割以上が建物の倒壊等によるものであったことから、平成15年5月29日に中央防災会議決定された東海地震対策大綱においても、地域住民への意識啓発や耐震診断の徹底した実施等、対策を早急に推進することとしている。
 今後とも防災基盤の整備を進め、地域の防災機能を高めることが極めて重要であり、特に、大都市部においては大きな被害が想定されることから、その整備促進が急務である。

 第7節 震災対策

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