第1章 災害の現況と課題 

6 広域応援体制の整備

 震災時の広域応援は、被災地における救援・救護及び災害応急・復旧対策並びに復興対策に係る人的・物的支援、施設や業務の提携等が迅速かつ効率的に実施される必要があることから、今後も各地方公共団体は広域応援協定の締結・見直しを更に推進し、防災関連計画において広域応援に関する事項を明らかにしておく必要がある。
 特に、東海地震、東南海・南海地震等被害の及ぶ範囲が極めて広いと想定される大規模地震については、被害想定を適切に実施するとともに、現行の広域応援協定のあり方を含む広域応援体制の見直し・充実を図る必要がある。
 平成16年10月に発生した新潟県中越地震においては、災害時相互応援協定に基づく救援活動が物資の供給と職員応援の両面から行われ成果を上げたが、初動期においては必ずしもスムーズに機能せず、応援側自治体からは、必要とされる物資や業務をできるだけ早く被災自治体から教えて欲しいという声が聞かれた。
 今後も、できるだけ多くの自治体での相互応援協定締結を推進するとともに、自治体同士が普段から訓練等で連絡を取り合い、災害時には受援側の窓口を早期に立ち上げることができるような体制づくりを推進する。
 また、阪神・淡路大震災を踏まえ、地震等の大規模災害時における人命救助活動等を効果的かつ迅速なものとするために発足した緊急消防援助隊については、東海地震、東南海・南海地震、南関東直下型地震等の切迫性が高まり、NBCテロ災害の発生等が懸念されることから、平成15年度の消防組織法の一部改正により法定化され、平成16年4月からは、大規模災害発生時等における全国的な観点からの緊急対応のため、消防庁長官による出動指示が可能となった他、国の国庫負担制度についても定められるなど、緊急対応体制の充実・強化が図られている。なお、消防庁では平成15年12月に東海地震及び南関東直下型地震に係る緊急消防援助隊運用方針及びアクションプランを作成し、緊急対応体制のさらなる強化を図っている。
 平成16年10月23日午後5時56分頃発生した新潟県中越地震においては、発災後の広域的な応援出動に対応するため、発災直後の午後6時25分、新潟県の要請を待たないで、消防庁長官が消防ヘリコプターの出動を要請し、午後7時20分の新潟県知事からの出動要請をうけて、各都県知事に対して緊急消防援助隊の出動要請を行った。
 同地震災害において、緊急消防援助隊は、1都14県から、累計441隊1,877名、消防防災ヘリ20機が出動し、453名を救助した。

 第7節 震災対策

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