第2章 消防防災の組織と活動 

(6)住民に対する応急手当の普及

 救急自動車の要請から救急隊が現場に到着するまでに要する時間は、平成15年中の平均では6.3分である。この間に、救急現場に居合わせた一般市民による応急手当が適切に実施されれば、大きな救命効果が得られる。したがって、住民の間に応急手当の知識と技術が広く普及するよう、実技指導に積極的に取り組んでいくことが重要である。現在、特に心肺機能停止傷病者を救命する心肺蘇生法(CPR)技術の習得に主眼を置き、住民体験型の普及啓発活動が推進されている。
 消防庁としては、「応急手当の普及啓発活動の推進に関する実施要綱」(平成5年3月制定)により、心肺蘇生法等の実技指導を中心とした住民に対する救命講習の実施や応急手当の指導者の養成、公衆の出入りする場所・事業所に勤務する管理者・従業員を対象にした応急手当の普及啓発及び学校教育を対象とした応急手当の普及啓発活動を行っている。この結果、講習受講者数は年々着実に増加しており、平成15年中の救命講習受講者数は114万人を超え、消防機関は最も代表的な応急手当普及啓発の担い手として期待されている。
 消防機関においては、昭和57年に制定された「救急の日」(9月9日)及びその前後の「救急医療週間」を中心に、応急手当講習会や救急フェア等を開催し、住民に対する応急手当の普及啓発活動に努めるとともに、応急手当指導員等の養成や応急手当普及啓発用資機材の整備を推進しているところである。
 また、平成16年7月から、一般市民を含めた非医療従事者による自動体外式除細動器(AED)の使用が可能となったことから、消防庁としては、「応急手当普及啓発推進検討会」の報告を受けて必要な要綱等の改正を行い、消防機関における自動体外式除細動器(AED)による除細動の内容を組み入れた救命講習の実施を促進していくこととしている。
 
救命講習(東京消防庁提供)
 
第2-4-9図 応急手当の救命効果(平成11〜15年)
 
消防庁ポスター (9月9日 救急の日)

 第4節 救急体制

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