第2章 消防防災の組織と活動 

東京消防庁消防救助機動部隊(ハイパーレスキュー隊)について

 平成16年10月の新潟県中越地震で発生した長岡市妙見堰の土砂崩れによる乗用車転落事故現場で、地元長岡市、新潟県と緊急消防援助隊は2歳男児とその母親の計2名を地震発生以来4日ぶりに救出(母親は病院搬送後死亡確認)しました。そこで中核となり救助に当たったのは、東京消防庁消防救助機動部隊、通称「ハイパーレスキュー隊」でした。ハイパーレスキュー隊は、平成7年1月の阪神・淡路大震災を教訓として、東京消防庁が平成8年12月に組織しました。
 この部隊は、震災時や大規模な災害に対処できるよう、高度な救助・救急技術と重機の運転資格等を有する選りすぐりの隊員及び震災対策用救助車・特殊救急車・大型重機等の車両で構成され、赤外線スコープや電磁波探査装置等の人命探索機材を備えています。
 このような資機材を有するハイパーレスキュー隊は、東京消防庁管内2箇所に配置されており、それぞれの部隊は、救助車等を備える「機動救助隊」、ドラグショベル、クレーン車等大型重機や大型化学車等を備える「機動特科隊」及び特殊救急車や遠距離大量送水装備等を備える「機動救急救援隊」により編成され、災害の態様に応じて、機動的に隊や車両、装備を選択し、現場に向かいます。
 これまで、平成13年9月の新宿区歌舞伎町ビル火災等、東京消防庁管内で発生した様々な災害に対応したのを始め、緊急消防援助隊としても、平成16年10月の新潟県中越地震のほか、平成8年12月長野県小谷村土石流災害、平成12年3月北海道有珠山噴火災害等に派遣されるとともに、国際消防救助隊(IRT-JF)の一員として、平成9年10月のインドネシア森林火災、平成11年1月のコロンビア地震、8月のトルコ地震、9月の台湾地震、平成15年5月のアルジェリア地震、平成16年2月のモロッコ地震に災害派遣されています。
 また、平成14年には、NBC災害等の特殊災害に対応するため、化学物質等に関する高度な知識・技術を有する隊員と特殊災害対策車、救助車、救助ロボット等の車両等から成り、特殊な防護服、検知器等を備えるハイパーレスキュー隊が1部隊増強され、現在3部隊で運用されています。
 各ハイパーレスキュー隊では、その任務に基づき、いつ、いかなる災害に対しても、保有する特殊装備を効果的に駆使し期待された活動が行えるよう、平素から隊員の気力・体力の充実と様々な状況を想定した訓練に励んでいます。
 
長岡市妙見堰土砂崩れ現場で救出活動中の緊急消防援助隊(東京消防庁提供)

 第5節 救助体制

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