第2章 消防防災の組織と活動 

(3)市町村の消防防災無線の整備

ア 地域住民等に密着した防災行政無線網
 同報系の防災行政無線は、住民等に情報を一斉に伝達することが可能であり、気象予警報、避難勧告等の伝達に極めて有効である。災害現場に赴き、その状況等を的確に把握・伝達するための移動系の防災行政無線とあわせ、一体的な整備が必要である。
 また、地域防災系の防災行政無線は、災害時において市町村と防災関係機関、病院、学校、ライフライン等の生活関連機関、自主防災組織等との相互連絡に極めて有効であり、平常時においても地域に密着した様々な情報の連絡にも活用できることから、市町村における整備を促進している。
 
防災行政無線(同報系屋外拡声装置)

 消防庁では、国庫補助制度、防災基盤整備事業等を活用し、これらの無線網の整備の促進を図っているところであり、全国整備率は平成16年3月末現在、同報系無線67.8%、移動系無線82.3%、地域防災系無線7.8%となっている(附属資料40)。
 また、平成16年度からは国庫補助対象を高機能情報通信対応防災無線通信設備に限定し、テロップなどの文字情報伝達、一定の静止画像・音声による双方向情報伝達を可能とするデジタル仕様による通信の高度化も促進している。

イ 高度化する消防・救急無線網
 消防・救急無線は、消防本部、消防署等に基地局を設置し、消防ポンプ自動車、救急自動車等に積載した移動局との間で情報の収集・伝達、指揮・連絡等を行うための無線網である。平成16年4月1日現在、9万8,636局が運用されており、この1年間に1,467局が増加した(第2−1−3図)。
 
第2-1-3図 通信施設等の状況

 また、119番通報の受付から出動指令、現場活動支援等を効率的に行うための消防緊急通信指令施設は約9割の消防本部で整備され、地図等検索装置や車両動態管理システム、医療情報装置などのシステムの導入が進められているほか、災害現場の映像を消防・防災ヘリコプターから消防本部に伝送するヘリコプターテレビ電送システムの導入も増加するなど消防・救急無線網の高度化が図られている。
 一方、近年、情報通信の飛躍的進展により周波数チャンネルの需要が高まっているが、電波は限られた資源であり、新たな周波数割り当てが極めて困難な状況となっている。
 このような過密な電波環境への対応や秘匿性の確保、各種データ、画像等の伝達を可能とする消防・救急無線の高度化のため、消防・救急無線においてもデジタル化を進める必要がある。
 消防庁では全国消防長会と連携を図りながら、「消防・救急無線デジタル化検討懇談会」を開催し、平成11年度には実験用デジタル無線機の仕様作成及び実験機の製作、平成12年度には変調方式や周波数帯等の違いによる電波伝搬への影響調査、平成13年度にはデジタル移行に伴う使用周波数の変更による既設の無線通信補助設備への影響調査及び対応方法の検討、平成14年度にはデジタル化した際に活用できるアプリケ−ション例と移行に際しての効果的な設計方法や低コスト等のモデル、費用等を検討等、様々な課題検討を行い、全国の消防本部が円滑かつ速やかにデジタルへの移行が図られるよう取組みを進めている。また、平成16年度に「消防・救急無線の広域化・共同化の推進懇談会」を開催し、無線設備の広域化・共同化による効率的な整備に向けた検討を行う予定である。

 第10節 消防防災の情報化の推進

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