特集 緊急消防援助隊と国民保護法制−国家的視野に立った消防の新たな構築− 

(7)武力攻撃事態等における消防の役割

 国民保護法第97条第7項では、武力攻撃災害に対する消防の任務を「消防は、その施設及び人員を活用して、国民の生命、身体及び財産を武力攻撃による火災から保護するとともに、武力攻撃災害を防除し、及び軽減しなければならない。」と規定している。
 この規定は、消防組織法第1条の「消防は、その施設及び人員を活用して、国民の生命、身体及び財産を火災から保護するとともに、水火災又は地震等の災害を防除し、及びこれらの災害に因る被害を軽減することを以て、その任務とする。」との規定を武力攻撃事態等にも当てはめたものとなっており、消防が、自然災害、武力攻撃災害等原因の如何にかかわらず、こうした任務に当たることを示したものである。
 なお、国民保護法では、武力攻撃事態等の特殊性にかんがみ、特に安全確保配慮義務を定めているところであり、通常の災害等に比して消防職団員等の安全確保には特段の注意が払われることとなっている。
 したがって、消防は、武力攻撃事態等において、戦闘行為が行われる地域等で火災や災害が発生したとしても、武力攻撃に直接さらされる危険を冒して出動し、消火活動や救急救助活動に当たることはないものである。
 
資料4 国民保護法の構成

 また、避難住民の誘導については、市町村長が市町村の職員並びに消防長及び消防団長を指揮して行うこととなっているが、特に、平素から地域で活動している消防吏員や消防団員が大きな役割を担うことが期待されている。
 さらに、武力攻撃事態等という緊急事態であることにかんがみ、一定の要件のもとに次の消防庁長官の消防に関する指示権限が新たに規定されている
 〔1〕 人命の救助等のために特に緊急を要し、都道府県知事の指示を待ついとまがないと認めるときの市町村長に対する指示権
 〔2〕 武力攻撃災害を防御するための措置が的確かつ迅速に講じられるようにするため特に必要があると認めるときの都道府県知事に対する指示権
 〔3〕 都道府県知事又は市町村長に対する応援の指示権
 なお、これらの指示をするときは、消防庁長官及び都道府県知事は、出動する職員の安全の確保に十分留意し、必要な措置を講ずることとしている。

 2 国民保護法制

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