(3)市町村の消防防災無線の整備  ア 地域住民等に密着した防災行政無線網  同報系の防災行政無線は、住民等に情報を一斉に伝達することが可能であり、気象予警報、避難勧告等の伝達に極めて有効である。移動系無線は、災害現場に赴き、その状況等を的確に把握・伝達するため必要不可欠なものである。  また、地域防災系無線は、災害時において市町村と防災関係機関、病院、学校、ライフライン等の生活関連機関、自主防災組織等との相互連絡に極めて有効である。  消防庁では、国庫補助制度、防災基盤整備事業等を活用し、これらの無線網の整備の促進を図っているところであり、全国整備率は平成17年3月末現在、同報系無線70.1%、移動系無線83.3%、地域防災系無線9.6%となっている(附属資料40)。  また、整備にあたっては、デジタル方式の高機能情報通信対応防災無線は、テロップなどの文字情報や静止画像を伝達できるほか、音声による双方向情報伝達を可能とすることからその整備を促進している。  イ 高度化する消防・救急無線網  消防・救急無線は、消防本部、消防署等に基地局を設置し、消防ポンプ自動車、救急自動車等に積載した移動局との間で情報の収集・伝達、指揮・連絡等を行うための無線網である。平成17年4月1日現在、9万9,945局が運用されており、この1年間に1,309局が増加した(第2−1−3図)。  また、119番通報の受付から出動指令、現場活動支援等を効率的に行うための消防緊急通信指令施設は約9割の消防本部で整備され、地図等検索装置や車両動態管理システム、医療情報装置などのシステムの導入が進められているほか、災害現場の映像を消防防災ヘリコプターから消防本部に伝送するヘリコプターテレビ電送システムの導入も増加するなどの高度化が図られている。  一方、近年、情報通信の飛躍的進展により周波数チャンネルの需要が高まっているが、電波は限られた資源であり、新たな周波数割り当てが極めて困難な状況となっている。  このような過密な電波環境への対応や秘匿性の確保、各種データ、画像等の伝達を可能とする消防・救急無線の高度化のため、消防・救急無線においても平成28年5月までにデジタル化を進めることとしている。  消防庁では全国消防長会と連携を図りながら、「消防・救急無線デジタル化検討懇談会」を開催し、平成11年度には実験用デジタル無線機の仕様作成及び実験機の製作、12年度には変調方式や周波数帯等の違いによる電波伝搬への影響調査、13年度にはデジタル移行に伴う使用周波数の変更による既設の無線通信補助設備への影響調査及び対応方法の検討、14年度にはデジタル化した際に活用できるアプリケ−ション例と移行に際しての効果的な設計方法や低コスト等のモデル、費用等を検討等、様々な課題検討を行い、全国の消防本部が円滑かつ速やかにデジタルへの移行が図られるよう取組みを進めている。  また、デジタル化は、全ての無線システムを再整備しなければならず、多額の費用を要する。このため、平成16年度には、「消防・救急無線の広域化・共同化の推進検討懇談会」を開催し、無線設備の広域化・共同化による効果的かつ効率的な整備に向けた検討を行った。この結果、広域化・共同化して整備した場合、広域での安定した通信が実現するとともに、消防救急無線施設の整備費用の大幅な節減効果がみられるなど、広域化・共同化の有効性が確認されたことから、今後、各都道府県において、広域化・共同化に係る整備計画を策定し、広域化・共同化を促進することとしている。