(4)日本海溝・千島海溝周辺海溝型地震対策
日本海溝・千島海溝周辺で発生する地震の中には、約40年間隔で発生している宮城県沖地震など、繰り返し発生するものもあり、その切迫性が指摘されており、今後30年以内に発生する確率(平成19年1月1日時点)は、地震調査研究推進本部の地震調査委員会の公表によると、宮城県沖についてはマグニチュード7.5前後で99%程度などとなっている。震源域はそのほとんどが海溝周辺にあり、過去において大津波を伴う地震が多数発生していることなどから、この地域で発生する海溝型地震による地震・津波防災対策、特に巨大な津波に対する防災対策の確立を図るため、平成15年10月、中央防災会議に「日本海溝・千島海溝周辺海溝型地震に関する専門調査会」が設置された。
この専門調査会においては、日本海溝・千島海溝周辺で発生する海溝型地震のうち、防災対策上対象とすべき地震について検討した上で、その地震により発生すると予測される被害の大きさや、それに対する地震防災対策について検討を行っており、平成18年1月には地震動や津波等による被害想定が公表された(第1−7−12表)。
こうした中で、平成17年9月、日本海溝・千島海溝周辺海溝型地震に係る地震防災対策の推進を図るためには法的整備が必要であるとして、「日本海溝・千島海溝周辺海溝型地震に係る地震防災対策の推進に関する特別措置法」が施行された。そして、同法に基づき、平成18年2月の中央防災会議において、「日本海溝・千島海溝周辺海溝型地震が発生した場合に著しい地震災害が生ずるおそれがあるため、地震防災対策を推進する必要がある地域」を「日本海溝・千島海溝周辺海溝型地震防災対策推進地域」として5道県130市町村(市町村合併により平成19年4月1日現在5道県119市町村)が公表され、内閣総理大臣により指定された。推進地域の指定を受けた地方公共団体等防災関係機関は、国の地震防災対策の基本方針として平成18年3月に中央防災会議が作成した「日本海溝・千島海溝周辺海溝型地震防災対策推進基本計画」に基づき、「日本海溝・千島海溝周辺海溝型地震防災対策推進計画」を作成するとともに、推進地域内で特に津波による甚大な被害のおそれのある地域において地震防災上重要な施設又は事業を管理し、又は運営する者のうち基本計画で定める者は「日本海溝・千島海溝周辺海溝型地震防災対策計画」を作成し、その実施を推進することとなった。この対策計画の作成について、消防庁としては関係道県、消防本部等を通じて作成を働きかけていく。
また、同年2月、日本海溝・千島海溝周辺海溝型地震対策のマスタープランであり、「津波防災対策の推進」や「揺れに強いまちづくりの推進」、「積雪・寒冷地域特有の問題への対応」を柱とする「日本海溝・千島海溝周辺海溝型地震対策大綱」が中央防災会議で決定された。
さらに、平成19年6月には、防災関係機関が効果的な連携をとって迅速かつ的確な応急対策活動を実施するため、各々の活動について定めた「日本海溝・千島海溝周辺海溝型地震応急対策活動要領」が中央防災会議で決定された。