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第1章 災害の現況と課題
(2) 大容量泡放射システムの配備

平成15年9月に発生した十勝沖地震では、苫小牧市内の石油精製事業所において、多数の屋外貯蔵タンクの損傷、油漏れ等の被害が発生し、さらに、地震発生から約54時間が経過した後に浮き屋根式屋外貯蔵タンクの全面火災が発生した。

浮き屋根式屋外貯蔵タンクで発生する火災について、本災害の発生前はリング火災*6が想定されていたが、我が国における地震の発生危険等を考慮すると、浮き屋根式屋外貯蔵タンクにおける災害想定をタンク全面火災にまで拡充することが必要となった。

*6 リング火災:浮き屋根式屋外貯蔵タンクにおいて、浮き屋根とタンクの側板の間が全周にわたってリング状に発生する火災

これを受け、石油コンビナート等災害防止法が平成16年6月に、同法施行令が平成17年11月に改正され、防災体制の充実強化とともに、浮き屋根式屋外貯蔵タンクの全面火災に対応するため、新たな防災資機材である大容量泡放射システムを平成20年11月までに配備することが特定事業所に義務付けられた。

大容量泡放射システムは、毎分1万リットル以上の放水能力を有する大容量泡放水砲、送水ポンプ、泡混合装置及びホース等で構成される防災資機材であり、大容量泡放水砲1基あたり、従来の3点セット(大型化学消防車、大型高所放水車及び泡原液搬送車)の3倍から10倍の泡放射を行うことができるものである。

大容量泡放射システムによる放水訓練(大阪・和歌山広域共同防災協議会)

現在、1万リットルから4万リットルの放水能力を有する大容量泡放射システムが、全国で12の広域共同防災組織等に配備されている。

第1章 災害の現況と課題
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