目次へ戻る
第1章 災害の現況と課題
(1) 避難勧告等の判断・伝達マニュアルの改定・作成

平成17年3月、市町村において災害別に避難勧告等を発令する客観的な判断基準等を定めた避難勧告等の判断・伝達マニュアルを作成する際の参考となるよう、「避難勧告等の判断・伝達マニュアル作成ガイドライン」が策定された。

その後、土砂災害警戒情報や特別警報等の新たな制度が運用されたことや、これまでの災害の教訓を踏まえ、有識者、地方公共団体及び国の関係機関の意見を聞きながら検討を進め、平成26年4月、ガイドラインの改定を行った。改定されたガイドラインは、都道府県を通じて市町村に通知し、避難勧告等の判断基準について見直し又は設定を行うよう依頼した。また、都道府県、国の関係機関にも、市町村の見直し等に際して積極的な助言を依頼した。

このガイドラインでは、市町村が発令する避難勧告等は空振りをおそれず早めに出すことを基本とし、避難勧告等の判断基準を雨量や水位等、可能な限り定量的かつわかりやすい指標で示し、判断のために参照する情報も具体的に示している。

また、災害種別毎に避難が必要な区域の考え方が示されており、市町村は起こりうる災害種別に対応した区域を示して避難勧告等を発令するとされている。さらに、従来の避難所への避難(立ち退き避難)だけでなく、家屋内に留まって安全を確保すること(屋内安全確保)も「避難行動」の一つとするなど、「避難」に関する考え方をあらためて整理している。

また、出水期前の5月に都道府県及び市町村に対して通知を発出し、以下のような取組を要請した。

  1. 〔1〕 避難勧告等に係る発令の具体的な判断基準等をいまだに定めていない市町村にあっては、ガイドラインを参考にして、可能な限り定量的かつわかりやすい避難勧告等に係る発令の判断基準を速やかに設定すること。また、既に発令の判断基準を定めている市町村にあっては、ガイドラインを踏まえ再点検を行い、必要に応じて見直しを行うこと。また、気象状況及び地域の実情に応じ、情報収集や判断できる体制をあらかじめ整えること。
  2. 〔2〕 避難勧告等は、時機を失することなく、早めに出すことが基本であり、避難が必要な状況が夜間、早朝となる場合は、避難準備情報を発令すること。
  3. 〔3〕 防災気象情報の収集については、ガイドラインを参考とし、最新の情報の入手・把握に努めるとともに、必要に応じ、管区・地方気象台、国土交通省河川事務所、都道府県の県土整備事務所等に助言を求めること。
  4. 〔4〕 市町村長が気象台長等との間で気象に関する情報を必要な時に確実に交換することができるようにするなど、都道府県や気象台、河川管理者等との間の情報連絡体制をあらかじめ整備し、緊密な連携が図れるようにしておくこと。加えて、同一の水系を有する上下流の市町村間においては、相互に避難勧告等の情報が共有できるよう、平素から連絡体制を整備すること。
  5. 〔5〕 都道府県にあっては、市町村が〔1〕の設定や見直しを行うに当たり、気象台や河川事務所等と連携し、説明会の開催や技術的助言等の支援を行うこと。また、大雨、洪水等の警報や土砂災害警戒情報など防災気象情報について、市町村の的確な避難勧告等の発令に資するため、平常時から気象台と連携し、できるだけ分かりやすく市町村に情報提供するとともに、市町村担当者の理解の向上を図ること。
第1章 災害の現況と課題
テキスト形式のファイルはこちら
前の項目に戻る     次の項目に進む