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第1章 災害の現況と課題
(3) 首都直下地震対策

首都地域は、人口や建築物が密集するとともに、我が国の経済・社会・行政等の諸中枢機能が高度に集積している地域であり、過去にもマグニチュード7クラスの地震や相模トラフ*3沿いのマグニチュード8クラスの大規模な地震が発生している*4(第1-6-3図)。こうした大規模な地震が発生した場合には、被害が甚大となり、かつ影響が広域に及ぶものとなるおそれがある。

*3 相模トラフ:房総半島沖から相模湾にかけて海底に横たわる細長い凹地
*4 地震調査研究推進本部の地震調査委員会によると、南関東でのマグニチュード7程度の地震が今後30年以内に発生する確率は、70%程度となっている。
第1-6-3図 この400年間における南関東の大きな地震

平成24年3月に、中央防災会議「防災対策推進検討会議」の下に「首都直下地震対策検討ワーキンググループ」が、同年5月には、内閣府に「首都直下地震モデル検討会」が設けられた。同ワーキンググループは、同年7月に被害想定を待たずとも取り組むべき対策と今後重点的に検討すべき課題を中間報告として取りまとめた。その後、同ワーキンググループでは、首都直下で発生が想定される19パターンの地震について検討を行い、首都中枢機能への影響と被災量がおおむね最も大きくなる地震として、都心南部直下で発生した地震の被害想定について、被害の様相と対策すべき事項等を検証し、平成25年12月に最終報告として取りまとめた。

一方、平成23年9月に、内閣府と東京都を共同事務局とし、関係府省庁、地方公共団体及び経済団体等からなる「首都直下地震帰宅困難者等対策協議会」が設置され、平成24年9月には、帰宅困難者対策を官民が連携・協働して実施するための報告書・ガイドラインが取りまとめられた。

また、平成25年11月に、首都直下地震が発生した場合において首都中枢機能の維持を図るとともに、首都直下地震による災害から国民の生命、身体財産を保護することを目的として「首都直下地震対策特別措置法」が制定された。

同法に基づき、平成26年3月に、首都直下地震に関する施策の基本的な事項を定める「緊急対策推進基本計画」及び政府の業務継続に関する事項を定める「行政中枢機能の維持に係る緊急対策実施計画」(政府業務継続計画)が策定された。

さらに、首都中枢機能の維持及び滞在者等の安全確保を図るべき地区として千代田区・中央区・港区・新宿区を「首都中枢機能維持基盤整備等地区」(平成26年3月時点)として指定している。

なお、首都直下地震により著しい被害が生じるおそれがあるため緊急に地震防災対策を推進する必要がある区域を「首都直下地震緊急対策区域」として1都9県310市区町村(平成26年3月28日時点)が指定されている。

第1章 災害の現況と課題
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