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第2章 消防防災の組織と活動
(5) 熱中症対策

平成19年8月、埼玉県熊谷市及び岐阜県多治見市において最高気温40.9℃が記録され、熱中症に対する社会的関心が高まったことを契機に、消防庁では、平成20年から全国の消防本部を調査対象とし、7月から9月までの夏期における熱中症による救急搬送状況の調査を開始した。平成22年からは調査期間を6月から9月までに拡大し、その結果を速報値として週ごとにホームページ上に公表するとともに、各月における集計・分析についても公表している。

平成26年6月〜9月における全国の熱中症による救急搬送人員は4万48人であり、平成25年と比較すると約32%減少した。年齢区分別搬送人員数では、高齢者(65歳以上)が1万8,468人(46.1%)で最も多く、次いで成人(18歳以上65歳未満)が1万5,595人(38.9%)、少年が5,622人(14.1%)の順で高い。初診時における傷病程度別搬送人員数では、軽症が2万5,967人(64.8%)で最も多く、次いで、中等症が1万2,860人(32.1%)、重症が787人(2.0%)、死亡が55人(0.1%)であった(第2-5-10表)。

夏期の全国の熱中症による救急搬送状況

平成26年の熱中症による救急搬送が昨年よりも少なかった要因としては、気温が上昇する時期が昨年より早かったものの、梅雨明けが沖縄・奄美地方を除いて平年並みとなる中で、8月には全国的に涼しい気候となり、9月以降もその傾向が続いたことが考えられる。

熱中症対策については、熱中症関係省庁連絡会議において、効率的かつ効果的な実施方策の検討及び情報交換を行っており、熱中症予防対策の更なる強化を図るため、平成25年度より新たに、熱中症による救急搬送者数や死亡者数の急増する7月を「熱中症予防強化月間」とした。消防庁では、熱中症対策リーフレットにより、全国の消防機関等を通じて広く市民等へ働きかけるとともに、ツイッターやホームページ上できめ細かな情報発信を行うほか、各地方公共団体に対し、地域の実情に応じて、あらゆる機会を通じた積極的な周知を促す等の対策を行っている(参照URL:http://www.fdma.go.jp/neuter/topics/fieldList9_2.html)。

また、今後は、2020年に開催が決定した東京オリンピック・パラリンピックに向け、日本全国で増加することが予想される外国人来訪者や、開催地周辺を中心とした一般市民に向けた、熱中症予防啓発の強化が課題となると考えられる。

第2章 消防防災の組織と活動
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