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第2章 消防防災の組織と活動
(4) 緊急消防援助隊の活動

ア 平成7年から平成26年11月までの出動状況

平成7年(1995年)に創設された緊急消防援助隊は、平成8年(1996年)12月に新潟県・長野県の県境付近で発生した蒲原沢土石流災害への出動を皮切りに、平成16年4月の改正消防組織法施行までの間、合計10回出動した。

以降、平成16年新潟県中越地震、平成17年JR西日本福知山線列車事故、平成20年岩手・宮城内陸地震、平成23年東日本大震災等の大規模災害に出動し多くの人命救助を行うなど、平成26年11月までの間に合計17回出動した(第2-8-5表)。

緊急消防援助隊の出動実績

イ 最近の活動状況

(ア) 平成20年中の活動

6月14日午前8時43分頃、岩手県内陸南部を震源とする平成20年(2008年)岩手・宮城内陸地震(マグニチュード7.2、最大震度6強)が発生し、岩手、宮城両県の内陸部・山間部に家屋倒壊、土砂災害等により甚大な被害をもたらした。同日午前9時23分、岩手県知事からの要請を受け、消防庁長官が、1都1道10県に対して緊急消防援助隊の出動を求めた。その後、同日午前11時38分、宮城県知事からの要請を受け、5県に対して出動を求めるとともに、岩手県へ出動途上の3県隊の応援先を宮城県栗原市に変更した。また、岩手県へ出場途上の新潟県航空部隊が宮城県栗原市及び岩手県一関市で孤立者の救出活動をしたことから、14日に救助活動及び情報収集活動等を行ったのは、岩手県内で1都1道7県、宮城県内で9県に及んだ。

また、15日には、既に岩手県内で情報収集活動等をしていた1都2県の部隊に対して、宮城県栗原市への部隊移動を求めた。緊急消防援助隊発足後、初めて2県に及ぶ活動を行い、最終的に岩手県内で1都1道7県の部隊、宮城県内で1都11県の部隊が活動した。岩手・宮城両県で活動した部隊を含め、1都1道15県から6日間で、211隊1,025人が出動し、救助活動、情報収集活動等を行った。

7月24日午前0時26分、岩手県沿岸北部を震源とする地震(マグニチュード6.8、最大震度6弱)が発生した。当初の震度情報が、最大震度6強であったことから、「大規模地震における緊急消防援助隊の迅速出動に関する実施要綱」に基づき、地震発生と同時に指揮支援部隊長及び航空部隊に出動を要請した。その後、岩手県知事から応援要請を受け、最終的に1都7県の部隊に対して出動を求めた。同日午後2時30分の応援要請解除までに、99隊379人が出動し、情報収集活動等を行った。

(イ) 平成21年中の活動

8月11日午前5時7分、駿河湾を震源とする地震(マグニチュード6.5、最大震度6弱)が発生した。静岡県知事の要請に基づき、指揮支援部隊及び航空部隊に出動を求め、1都2県から6隊29人が出動し、情報収集活動及び指揮支援活動を行った。

(ウ) 平成23年中の活動

3月11日午後2時46分、三陸沖を震源とする平成23年(2011年)東北地方太平洋沖地震(マグニチュード9.0、最大震度7)が発生した。地震発生直後から、法制化以降初めてとなる消防組織法第44条第5項に基づく消防庁長官の指示により緊急消防援助隊が出動し、余震等への対応も含め、岩手県、宮城県、福島県、茨城県、千葉県、新潟県、長野県及び静岡県の8県において応援活動を実施した。活動が長期に及んだ岩手県、宮城県及び福島県においては、発災直後の降雪といった天候不良、山積するがれきが行く手を阻む厳しい環境下において、大きな余震や津波への警戒を続けながら地元消防や関係機関との連携のもと消防活動に従事した。福島第一原子力発電所における事故対応、発災9日後の奇跡的な倒壊家屋からの人命救出など、日本の消防活動史に残る懸命の応援活動も見られたところであり、地元消防本部等と協力したものを含め救助者数は5,064人に上った。最終的には、前述の主たる被災3県を除く全国44都道府県から緊急消防援助隊が出動し、6月6日までの88日間で、総派遣人員3万684人、総派遣部隊数8,854隊に上った。

(エ) 平成25年中の活動

10月16日、台風26号の記録的大雨(24時間824ミリ)により、伊豆大島(東京都大島町)で大規模な土石流が発生した。

発災後、東京都知事の要請を受け消防組織法に基づき、消防庁長官から1都4県の緊急消防援助隊に出動を求めた。緊急消防援助隊は、活動終了の10月31日までの16日間で117隊、518人が出動し、現地において、地元の大島町消防本部、大島町消防団、都内応援の東京消防庁と一体となって、多数の倒壊家屋や土砂からの救助活動を展開した。

今回の派遣は、離島における大規模災害に緊急消防援助隊が出動した初めての事例であり、部隊や車両の輸送に大きな困難があったが、自衛隊と連携し、輸送機(C-1及びC-130H)による緊急輸送(隊員57人、車両13台)を行い、救助活動を実施した。

(オ) 平成26年中の活動

7月30日から8月26日かけ全国各地で大雨が発生した(「平成26年8月豪雨」)。8月19日から翌20日明け方にかけては、広島県広島市を中心に猛烈な雨となり、20日未明、広島県広島市安佐北区、安佐南区において166箇所以上で土砂災害が発生した。

発災後、広島県知事からの要請に基づき、消防庁長官から1府3県に対して緊急消防援助隊の出動を求め、さらに、21日には救助体制を強化するため、新たに3県に対して緊急消防援助隊の出動を求めた。緊急消防援助隊は、活動終了の9月5日までの17日間で1府6県から399隊1,296人が出動し、地元の広島市消防局及び市内消防団をはじめ、県内応援消防本部、県内消防団、警察、自衛隊及び国土交通省(TEC-FORCE)等と一体となって、消防応援活動を展開した。また、津波・大規模風水害対策車両、重機及び無線中継車等の特殊車両が多数出動し、それぞれ、泥ねい地における救助活動、道路啓開及びがれき撤去、迅速な情報収集等を行った。

9月27日午前11時52分頃、御嶽山で噴火が発生した。

発災後、長野県知事からの要請に基づき、消防庁長官から1都3県に対して緊急消防援助隊の出動を求め、さらに、10月14日には捜索活動の体制強化を図るため、新たに2県に対して緊急消防援助隊の出動を求めた。緊急消防援助隊は、活動終了の10月17日までの21日間で1都5県から547隊2,171人が出動し、登山道が急峻な上、粘土質となった火山灰等は足場が悪く、さらに火山性ガスが発生した場合には緊急退避を余儀なくされる等、標高3,000メートルの厳しい活動環境のもとで地元の木曽広域消防本部及び消防団をはじめ、県内応援消防本部、警察及び自衛隊等と一体となって、消防応援活動を展開した。

第2章 消防防災の組織と活動
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