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第2章 消防防災の組織と活動
(6) 今後の取組

東日本大震災を上回る被害の発生が懸念されている、南海トラフ地震及び首都直下地震等に備え、長期にわたる活動力への対応及び大規模かつ迅速な部隊投入のための整備が不可欠であり、緊急消防援助隊の役割は一層重要性を増している。緊急消防援助隊創設以来、最大規模かつ最も長期に及んだ東日本大震災における部隊展開の経験等を貴重な教訓とし、引き続き以下の取組を積極的に進め、ハード・ソフトの両面において緊急消防援助隊の活動能力の向上を図る。

ア 消防庁のオペレーション能力向上

消防庁長官の指示権に象徴されるように、緊急消防援助隊を的確に運用することは、消防庁の重要な任務である。そのためには、大規模災害・特殊災害等発生時に、消防庁自体の初動対応がこれまで以上に重要であり、ICT(情報通信技術)を活用するなど迅速な情報収集等に努め、可能な限り災害の規模、被害状況等あらゆる情報を把握して緊急消防援助隊に的確にフィードバックすることが求められる。したがって、図上訓練等の実施により、日ごろから緊急消防援助隊の出動の要否、派遣地域、必要な部隊規模・種類の判断など、消防庁としてのオペレーション能力の向上を引き続き図っていく。

イ 部隊登録の計画的推進

平成30年度末の登録目標である6,000隊規模に向けて、隊種ごとの各都道府県の目標登録隊数を設定した。さらに、南海トラフ地震や首都直下地震等の国家的な非常災害に対応するため、全国的な底上げが必要であることから、登録比率ガイドラインを設け、登録推進に取り組むこととしている。各消防本部、都道府県及び消防庁が一体となって進めるとともに、登録が部隊運用上地域的に偏りのないように各機関で調整を図りつつ計画的に登録を推進していく。

また、緊急消防援助隊設備整備補助金及び消防組織法第50条の規定による無償使用制度等を活用しつつ、緊急消防援助隊登録部隊における車両・資機材の質の向上及び充実強化を引き続き進めていく。

ウ 訓練の推進

緊急消防援助隊が迅速かつ効果的に活動するためには、速やかに応援部隊を編成して被災地に出動し、各部隊が一元的な指揮体制の下に連携した活動を実施する必要がある。このため、消防庁では、5年に1度の全国訓練(平成27年に実施予定)や毎年実施されている地域ブロック合同訓練において、実践的な訓練を推進するとともに、各都道府県及び各消防機関においても、平時から各種防災訓練等の機会も活用し、様々な状況を想定した図上訓練、消防応援活動調整本部運営訓練、大規模な参集・集結訓練、他機関と連携した訓練を実施するなど、緊急消防援助隊の活動に即した各種の訓練を推進していく。

また、こうした各種訓練を通して、平成26年3月の基本計画改正に伴い新設された統合機動部隊、エネルギー・産業基盤災害即応部隊(ドラゴンハイパー・コマンドユニット)及び通信支援小隊といった部隊等の運用についても充実を図ることとする。

エ 関係機関との連携強化

平成24年1月30日に出された「消防審議会の東日本大震災を踏まえた今後の消防防災体制のあり方に関する答申」において、関係機関は災害時において救助活動等一層の連携強化を図ることとされている。地域ブロック合同訓練においては、自衛隊、警察、海上保安庁及びDMAT等の関係機関と図上訓練、実動訓練、部隊輸送訓練等の連携訓練を実施して成果を上げている。

今後も、各種訓練等を通じて関係機関との連携強化を図っていく。

第2章 消防防災の組織と活動
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