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特集3 最近の大規模自然災害・火災爆発事故への対応及びこれを踏まえた消防防災体制の整備
4.福岡市の有床診療所火災を踏まえた有床診療所・病院火災対策の推進
(1) 福岡県福岡市診療所火災の概要

平成25年10月11日、福岡県福岡市の有床診療所において、死者10名、負傷者5名という重大な人的被害を伴う火災が発生した。医療施設で10名以上の死者を伴う火災が発生したのは、昭和48年(1973年)の福岡県北九州市における火災(死者13名)以来のことである。

この有床診療所は、鉄筋コンクリート造の地下1階・地上4階建の建物で、火災発生時は自動火災報知設備の鳴動後、当直の職員が火災を発見したが、施設から消防機関への通報は行われなかった。また、初期消火のための消火器・屋内消火栓設備は設置されていたものの、使用されなかった。

この有床診療所では、消防訓練が適切に実施されておらず、また、建築基準法上の定期調査報告の対象として特定行政庁(福岡市)により指定されていなかったため、設置されていた防火戸の点検も適切に行われていなかった。

このように初動対応が不十分であったことや階段部分の防火区画(竪穴区画)を形成する防火戸が閉鎖せず、階段室等を経由して早期に煙が建物内に充満したことが、多数の死傷者を発生させた一因として考えられている。

特集3 最近の大規模自然災害・火災爆発事故への対応及びこれを踏まえた消防防災体制の整備
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