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特集3 最近の大規模自然災害・火災爆発事故への対応及びこれを踏まえた消防防災体制の整備
(3) 有床診療所・病院における今後の火災対策のあり方

この火災を踏まえ、消防庁では「予防行政のあり方に関する検討会」の下に学識経験者、有床診療所・病院関係団体、消防機関、関係省庁(厚生労働省及び国土交通省)で構成される「有床診療所・病院火災対策検討部会」を発足させ、有床診療所・病院等の火災被害拡大防止対策及び火災予防行政の実効性向上等に関する検討を行い、平成26年7月に報告書を取りまとめた。報告書を踏まえ、消防庁においては、関係機関と連携しながら、以下の対策の実施を進めている。

ア 自主チェックシステム等ソフト面での対策

ICTを活用し、関係省庁間で情報を共有できる「有床診療所防火対策自主チェックシステム」が、平成26年4月から運用を開始し、全国で利用が進んでいるが、防火対策の充実のため、更なる利活用の促進を図っている。また、「有床診療所等における火災時の対応指針」による実践的な訓練の実施を推進するなど、防火管理体制の向上を図っている。

(有床診療所防火対策自主チェックシステムの概要)

有床診療所の防火対策は、消防、建築、医療分野にまたがり、関係省庁が連携してサポートすることができる。また、ICT技術を活用して自主チェックしたデータを関係省庁が共有することにより、効果的な対策を講じることができる。

なお、建築基準法が改正(平成26年法律第54号)されたことを受け、国土交通省において、防火戸を含む防火設備などの定期調査・検査の対象の見直しを行うなど防火設備に関する検査の徹底等を行うこととされている。

イ スプリンクラー設備等ハード面での対策

有床診療所・病院について、面積にかかわらず消火器及び火災通報装置の設置を義務化するとともに、特に「避難のために患者の介助が必要な有床診療所・病院」については、面積にかかわらず、スプリンクラー設備の設置及び自動火災報知設備と火災通報装置の連動を義務づけることとした。こうした設置基準の強化を主たる内容とする消防法施行令の一部を改正する政令は平成26年10月16日に公布された(施行日:平成28年4月1日)。

ウ その他必要な対策

消防部局、医療部局及び建築部局等の関係機関における情報の共有・連携が不可欠であることから、立入調査等実施時において建築基準法や消防法などの防火関係規定の不備を把握した行政機関から他の関係部局への情報共有を適切に実施することで、その後の改善に的確に結びつけていくことのできる体制の構築を図っている。

特集3 最近の大規模自然災害・火災爆発事故への対応及びこれを踏まえた消防防災体制の整備
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