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第1章 災害の現況と課題
(2) 統括防火管理者

消防法では、高層建築物(高さ31mを超える建築物)、地下街、準地下街、一定規模以上の特定防火対象物*7等で、その管理権原が分かれているものについては、各々の管理権原が存する部分ごとに防火管理者を選任して防火管理を実施する一方、建築物全体の防火管理を一体的に行うため、統括防火管理者を協議して定め、防火対象物全体にわたる防火管理に係る消防計画の作成、消火、通報及び避難訓練の実施等を行わせることにより、防火対象物全体の防火安全を図ることを各管理権原者に対して義務付けている(統括防火管理制度:平成26年4月1日施行)。

これは、従来の共同防火管理協議制度(防火対象物の管理権原者のうち主要な者を代表者とする共同防火管理協議会を設け、防火管理に係る消防計画の作成その他必要な業務に関する事項を協議して定め、共同で防火管理を行うもの)では、統括防火管理者の役割や権限が法令上明確でなく、防火管理を一体的・自律的に行う体制が構築できなかったため、消防法の一部を改正する法律(平成24年法律第38号)により、統括防火管理者の選任を義務付け、統括防火管理者に各防火管理者への指示権を付与することとしたものである。

平成28年3月31日現在、統括防火管理者を選任しなければならない防火対象物は、全国に8万4,837件あり、そのうち50.6%に当たる4万2,905件について統括防火管理者が選任され、その旨が消防機関に届出されている。また、建物全体の防火管理を一体的に行うため、全体についての消防計画を作成し、その旨を消防機関へ届け出ている防火対象物は4万133件で、届出率は47.3%になっている(第1-1-29表)。

第1-1-29表 全国の統括防火管理実施状況

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*7 特定防火対象物:百貨店、飲食店などの多数の者が出入りするものや病院、老人福祉施設、幼稚園など災害時要援護者が利用するもの等の一定の防火対象物
第1章 災害の現況と課題
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