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第1章 災害の現況と課題
(2) 危険物規制の最近の状況

ア 科学技術の進展等を踏まえた危険物規制の見直しの検討

水素社会実現に向けた取組として一般高圧ガス保安規則が改正され、液化水素貯槽等を設置する圧縮水素スタンドの技術上の基準が整備されたことを踏まえ、「液化水素スタンドを給油取扱所に併設する場合の安全性に関する検討会」を開催し、平成27年6月に危険物の規制に関する規則を改正して、液化水素貯槽と固定給油設備との離隔等の必要な安全対策を講じることを規定した。

また、規制改革実施計画(平成25年6月閣議決定)に基づき、平成25年8月から「天然ガススタンド併設給油取扱所の停車スペースの共用化に係る安全対策のあり方に関する検討会」を開催し、天然ガス充てんのための停車スペースと給油のための停車スペースを共用化することの危険性の評価及び必要な安全対策の検討を行い、当該検討結果を踏まえ省令改正を行うこととしている。

さらに、危険物行政を取り巻く新たな課題にも対応しており、中山間地域等では地域特性に応じた効率的な給油取扱所の運用形態が模索されていることを踏まえ、平成27年6月から「地域特性に応じた給油取扱所の運用形態に係る安全確保策のあり方に関する検討会」を開催し、顧客の呼び出しに応じて危険物取扱者である従業員が隣接する店舗等から給油取扱所に速やかに移動して給油を行う形態について、危険性の評価及び必要な安全確保策の検討を行い、平成28年3月に「呼び出しに応じて給油等を行う場合における安全確保策に関する指針」を作成し、全国の消防機関及び関係業界団体に周知している。

水素ステーションを併設する給油取扱所

イ 事故を踏まえた対応

平成26年5月13日に発生した東京都町田市作業所火災では、マグネシウム等の水による消火が適さない物質が保管されていたために鎮圧までに長時間を要したことから、「火災危険性を有するおそれのある物質等に関する調査検討会」において、マグネシウム等の消防活動上の留意事項についての各種調査及び検討を行い、平成28年6月に「マグネシウム等の安全対策マニュアル」を作成し、全国の消防機関及び関係業界団体に周知している。

ウ 東日本大震災を踏まえた危険物施設の安全対策

消防庁では、東日本大震災での被害状況を踏まえ危険物施設の安全対策について、必要な対応を行っている。

平成25年3月には「東日本大震災を踏まえた仮貯蔵・仮取扱い等の安全確保のあり方に係る検討報告書」を取りまとめ、これを受けて同年10月に危険物の仮貯蔵・仮取扱いの運用が円滑かつ適切に行われるよう、仮貯蔵・仮取扱いの安全対策、申請手続きに関する留意事項及び危険物施設における臨時的な危険物の貯蔵・取扱い等についてまとめた「震災時等における危険物の仮貯蔵・仮取扱い等の安全対策及び手続きに係るガイドライン」を作成し、全国の消防機関等に周知している。

また、平成26年3月には、危険物施設の事業者が震災等対策(震災発生時の事業者等の対応、発生後の被害の確認・応急措置、臨時的な対応、復旧対応等)を適切に実施することができるよう、過去の被災事例や奏功事例から得られた教訓、震災後に普及した技術や得られた知見を踏まえた危険物施設の震災等対策のポイントや留意点等をまとめた「危険物施設の震災等対策ガイドライン」を作成し、全国の消防機関及び関係業界団体に周知している。

第1章 災害の現況と課題
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