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第1章 災害の現況と課題
(2) 石油コンビナート等の防災体制の強化

近年の石油コンビナート等特別防災区域での大規模な爆発事故や南海トラフ地震や首都直下地震による被害の発生が懸念されること等を踏まえ、消防庁では「石油コンビナート等防災体制検討会」等の検討会を開催し、平成24年度に防災アセスメント指針の改訂、平成25年度には自衛防災組織等の防災活動の手引きの改定を行うなど、石油コンビナート等における防災体制の充実強化を図っている。

平成25年度に開催された「石油コンビナート等防災体制検討会」においては、災害を想定した<1>関係機関の情報共有、<2>関係機関の連携体制、<3>住民等への情報伝達、<4>教育・訓練体制の充実が必要であり、そのための一元的な連絡調整等を行う組織である石油コンビナート等防災本部の役割が重要であることが提言されている。これを踏まえ、災害の拡大防止、早期鎮圧、二次災害防止等の観点から、災害時において特定事業所が消防機関等へ情報提供を行う体制の整備について、特定事業者の策定する防災規程に定めることが義務付けられた(平成27年4月1日施行)。平成25年度の検討結果を踏まえ、平成26年度の検討会では、石油コンビナート等防災本部の機能強化を図るための訓練に活用するため、地震・津波に起因する災害と大規模な爆発火災の2つの標準的な災害シナリオを作成した。さらに、平成27年度は、平成26年度に作成した「標準災害シナリオ」を活用した防災本部訓練の検証や「新たな標準災害シナリオ」としてさらに2つのシナリオを追加する等、引き続き防災本部の機能強化に資するための訓練のあり方等について検討を行い、「石油コンビナート等防災本部の訓練マニュアル」を作成した。

このほか、防災施設の耐災害性を確保する観点から、設置の日から40年を経過した消火用屋外給水施設の配管及び加圧ポンプに関する点検基準が強化された(平成27年4月1日施行)。

また、消火用屋外給水施設の配管は、従来、鋼製のものに限定されていたが、合成樹脂製の管は、耐腐食性や耐震性等が鋼製の管に比べて優れており、一般の消防用設備(屋外消火栓設備等)としても広く利用されていることから、新たに使用できるようにし(平成27年10月1日施行)、今後、増加が見込まれる配管の更新や改修の増加等に対応することとしている。

石油コンビナート等の防災体制の強化について、消防庁では、国土強靱化基本計画で示されたサプライチェーン等の維持や石油コンビナートの損壊、火災、爆発等への対応として、平成25年3月に改訂した「石油コンビナートの防災アセスメント指針」に基づく、関係道府県が作成する石油コンビナート等防災計画の見直しの促進を行うとともに、緊急消防援助隊のエネルギー・産業基盤災害即応部隊(ドラゴンハイパー・コマンドユニット)の体制整備、高度な消防ロボットの研究開発、関係機関による合同訓練の実施の推進を行っている。

第1章 災害の現況と課題
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