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第1章 災害の現況と課題
(1) 南海トラフ地震対策

南海トラフ*1沿いの地域では、ここを震源域として100年から150年間隔で大規模地震が繰り返し発生しており、近年では、昭和19年(1944年)に昭和東南海地震、昭和21年(1946年)に昭和南海地震が発生している。東海地震の領域は発生から160年が経過しており、切迫性が指摘され、また、東南海・南海地震については前回地震から、既に60年以上が経過していることから、今世紀前半にも発生することが懸念されている(第1-6-1図)*2

第1-6-1図 東海地震と東南海・南海地震

南海トラフ地震が発生した場合は著しい被害が発生する可能性があるため、「南海トラフ地震に係る地震防災対策の推進に関する特別措置法」に基づいて「南海トラフ地震防災対策推進地域」として1都2府26県707市町村(平成28年4月1日現在)が指定され、また、推進地域のうち、津波避難対策を特別に強化すべき地域を「南海トラフ地震津波避難対策特別強化地域」として1都13県139市町村(平成28年4月1日現在)が指定され、地震防災対策の強化が図られている。

平成27年3月には、「南海トラフ地震における具体的な応急対策活動に関する計画」が策定され、国が実施する応急対策に係る緊急輸送ルート、救助・救急、消火活動等、医療活動、物資調達、燃料供給及び防災拠点に関する活動内容が具体的に定められた。

これを受け消防庁では、発災直後から、被災府県内の消防を最大限動員するとともに、全国から最大勢力の緊急消防援助隊を可能な限り早く的確に投入するための初動期における派遣方針と具体的な手順等を定めている。

*1 南海トラフ:駿河湾から遠州灘、熊野灘、紀伊半島の南側の海域及び土佐湾を経て日向灘沖までのフィリピン海プレート及びユーラシアプレートが接する海底の溝状の地形を形成する区域
*2 地震調査研究推進本部の地震調査委員会によると、マグニチュード8〜マグニチュード9クラスの南海トラフの地震が今後30年以内に発生する確率は、70%程度となっている。また、最大クラスの地震の発生頻度は、100〜200年の間隔で繰り返し起きている大地震に比べ、一桁以上低いとされている。
第1章 災害の現況と課題
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