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第2章 消防防災の組織と活動
(3) 惨事ストレス対策

消防職団員は、火災等の災害現場などで、悲惨な体験や恐怖を伴う体験をすると、精神的ショックやストレスを受けることがあり、これにより、身体、精神、情動又は行動に様々な障害が発生するおそれがある。このような問題に対して、消防機関においても対策を講じる必要があるが、各消防本部等においては、情報不足や専門家が身近にいないことなどが課題とされていた。

消防庁では、消防職団員への強い心理的影響が危惧される大規模災害等が発生した場合、現地の消防本部等の求めに応じて、精神科医等の専門家を派遣し、必要な支援を行う「緊急時メンタルサポートチーム」を平成15年に創設して以来、平成28年11月1日現在59件の派遣実績がある。

なお、東日本大震災においては、凄惨な現場も多く、活動に当たった多くの消防職団員に惨事ストレスの発生が危惧されたことから、消防庁では、平成23年度に被災地の延べ8消防本部、8消防団に、平成24年度には4消防団に、「緊急時メンタルサポートチーム」を派遣するとともに、平成23年度には、岩手県、宮城県及び福島県をはじめ、全国主要都市において、惨事ストレスセミナー及び個別相談会を9回開催し、惨事ストレスに対するケアを行った。

平成24年度には、東日本大震災における消防職団員の惨事ストレスの状況やこれまでの惨事ストレス対策の実施状況を踏まえつつ、より効果的な惨事ストレス対策の充実強化を図るために設置した「大規模災害時等に係る惨事ストレス対策研究会」において、消防本部及び消防団における惨事ストレス対策に関する実態調査及び分析を行い、その結果を報告書として取りまとめた。

この検討結果を踏まえ、消防庁では消防職団員に対する惨事ストレス対策に関する教育、普及・啓発、おおむね都道府県域を範囲とした広域的な体制整備、消防職団員の家族への惨事ストレスの周知・理解の促進、緊急時メンタルサポートチームの充実強化などの取組を進めている。

第2章 消防防災の組織と活動
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