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第2章 消防防災の組織と活動
(3) 電話による救急相談事業の推進

近年の救急出動件数の大幅な増加は、高齢化、核家族化の進行を背景とし、住民が救急要請すべきか自力受診すべきか迷った場合に119番通報するといったケースの増加が要因の一つであると考えられる。

こうした救急需要対策の一環として、消防庁では、住民が急な病気やけがをしたときに、救急車を呼んだ方がいいのか、今すぐ病院に行った方がいいのかなど迷った際に、専門家から電話で助言を受けることができる相談窓口として、平成21年度から救急安心センター事業(以下、「#7119」という。)を推進しており、平成28年8月末現在で、全国7地域(東京都、大阪府、奈良県、福岡県、北海道札幌市周辺、神奈川県横浜市、和歌山県田辺市周辺)で事業が実施(人口カバー率約27.3%)されている。

#7119の実施地域においては、救急搬送件数における軽症者の割合の減少、救急出動件数の増加率の抑制などの効果が出ているほか、救急相談の結果、緊急度が高いと判断された傷病者を救急搬送し、一命を取り留めた奏功事例が多数報告されている。また、医療機関における救急医療相談や時間外受付者数が抑制されるなど医療機関の負担軽減が見込まれるほか、不安な住民に安心を提供するという効果もみられている。

消防庁では、「平成27年度救急業務のあり方に関する検討会」において、事業を実施するに当たっての課題やその解決方策についての検討を行い、#7119が救急車の適正利用の推進の観点及び緊急度判定体系の普及の観点から極めて有効であると報告がなされたことから、平成28年3月31日に、「救急安心センター事業(#7119)の更なる取組の推進について」(消防庁救急企画室長通知)を発出し、都道府県が、管内消防本部の意向を踏まえつつ、衛生主管部局及び医療関係者等との合意形成を図るなど、#7119の導入に向け積極的に取り組むことを促している。

同通知においては、スケールメリット及び相談員等の確保等の観点からは都道府県単位での運用が望ましいため、原則として、都道府県単位で実施することとしており、都道府県内の一部の地域において実施している団体については、対象範囲の拡大について働き掛けを行っている。さらに、この相談窓口は、原則として24時間365日、相談を受け付けることができることとしており、同一の窓口において24時間365日体制を実施できない場合においては、地域の医療機関等との連携、民間事業者への委託等、地域の実情に応じた適切な体制の整備により、実質的に24時間365日、相談を受け付けることができる体制を整えていることとしている。

平成28年度からは、#7119を実施しておらず、かつ救急需要が大きい道府県を中心に、#7119を開始するに当たっての助言を行う等、#7119の更なる普及のため、積極的な普及推進を行っているところである。また、同様の医療相談を行っているが365日24時間体制となっていない類似番号でサービスを提供している団体については、#7119へ移行するよう働き掛けている。

第2章 消防防災の組織と活動
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