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第2章 消防防災の組織と活動
(8) 2020年東京オリンピック・パラリンピック競技大会への救急対応

平成27年度の「救急業務のあり方に関する検討会」において、外国語対応・コミュニケーションの問題(文化・宗教含む)及び多数傷病者発生時の対応等の課題への対応策について、実態調査等を踏まえて、各消防本部や関係機関において実施可能な具体的方策と、連携に対する課題の検討を行った。

2020年東京オリンピック・パラリンピック競技大会の開催により、開催地はもとより、その他の都市部及び観光地において、数多くの外国人が来訪することが予想され、救急業務においても多言語対応がより一層必要となる。このため、各消防本部においては、外国人への対応について、コミュニケーションボードなどの多言語コミュニケーションツールや通訳を交えた三者通話などの多言語音声翻訳システム、今回新たに消防庁で作成した訪日外国人のための救急車利用ガイド(英語版)などを参考としつつ、地域の実情に合わせ検討することが期待される。また、平成28年7月には、消防庁消防研究センター、札幌市消防局及び独立行政法人情報通信研究機構(NICT)が連携し、多言語翻訳アプリ「VoiceTra」を活用した多数傷病者発生事故対応合同訓練を実施しており、実用化に向けた検討を行っている。

諸外国における大規模イベントでは、医療救護所等の救護施設を設置するなど、万全の医療体制を構築することにより、消防機関への救急要請が抑制されることが示されており、大規模イベント等の開催時に多数傷病者が発生した際の備えとして、イベントの計画段階から、イベント主催者や行政の担当部局等に対して熱中症対策を求めていくとともに、来訪した外国人への熱中症対策として、外国人のための救急車利用ガイド(英語版)を活用するなど、熱中症に備える必要がある。また、感染症など災害発生時に迅速な活動を可能とするため、医療部局など関係機関と連携して、事前のマニュアル策定・見直し等を進めていく必要がある。

【参考】 消防庁ホームページ「熱中症情報」コンテンツ掲載画面
救急多言語音声翻訳アプリを活用した外国人とのコミュニケーション(平成28年7月 札幌市)
第2章 消防防災の組織と活動
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