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第2章 消防防災の組織と活動
(3) 消防庁の防災体制

消防庁は、実動部隊となる消防機関を所管し、地方公共団体から国への情報連絡の窓口になるとともに、地域防災計画の作成、修正など地方公共団体の防災対策に対する助言・勧告等を行っているが、阪神・淡路大震災の教訓を踏まえ、地方公共団体の防災対策全般の見直しを推進し、支援措置の充実を図っている。

平成7年(1995年)に発足した全国の消防機関相互による援助体制である緊急消防援助隊については、平成15年に消防庁長官が出動に必要な措置を指示することができるようにするなど制度が法制化され、また、平成20年には、緊急消防援助隊の機動力の強化等を内容とする法改正が行われている。

消防庁内部の平常時の組織体制についても、平成17年に大規模地震対策、消防防災の情報通信システム、緊急消防援助隊、救助・テロ対策、国民保護の企画・運用等の緊急対応や地方公共団体との連絡調整等の各業務を統括する「国民保護・防災部」を設置し、より一層の業務の専門性の確立及び責任体制の明確化を図っている。東日本大震災におけるかつてない規模の緊急消防援助隊の活動経験を踏まえ、今後発生が予想される南海トラフ地震や首都直下地震等大規模災害への対応に備えるために、平成24年4月に緊急消防援助隊や航空機による消防に関する制度の企画及び立案等に関する業務をつかさどる「広域応援室」を、当該業務体制を拡充する形で部内に新設した。

また、「消防団を中核とした地域防災力の充実強化に関する法律」が成立したことに伴い、地域防災力の充実強化を図るため、その中核となる消防団に関する業務及び自主防災組織等に関する業務を所掌する「地域防災室」を平成26年4月に部内に新設した。

設備・装備の整備としては、緊急消防援助隊等のオペレーションや、大規模災害等発生時の迅速かつ的確な初動対応の実施のため、総務省(中央合同庁舎第2号館)内に「消防防災・危機管理センター」を整備するとともに発災時の職員の自動参集システムを構築したほか、消防庁職員等を被災地へ迅速に派遣し、併せて、現地調査、情報収集を行うことにより、消防庁長官による緊急消防援助隊の出動指示や現地における的確な災害対応等を迅速かつ適切に実施するための消防庁ヘリコプターを導入している。

しかし、東日本大震災発災時の災害対応時において、対応する人員に対し「消防防災・危機管理センター」のスペースが不足したことから、情報の収集、関係機関との連絡調整及び緊急消防援助隊の運用など、消防庁におけるオペレーションの効率性の観点からは課題を残した。この課題を解決し、今後発生が懸念されている南海トラフ地震等発生時の政府全体の災害応急対応の基盤としての機能が十分発揮できるよう、平成28年度中に消防・防災危機管理センターを拡張し、併せて、設備を充実することとしている。

第2章 消防防災の組織と活動
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