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第6章 消防防災の科学技術の研究・開発
(4) 火災予防と火災による被害の軽減に係る研究開発

我が国における火災件数は年間5万件前後で推移し、死者数は年間1,500人を超える被害となっている。火災による被害の軽減のためには、建物からの出火防止や出火建物からの逃げ遅れの対策、特に自力避難困難者の出火建物からの迅速な避難が重要である。これらのことを踏まえ、次の二つのサブテーマを設け、5年間の計画で研究開発を行っている。

ア サブテーマ「火災原因調査の能力向上に資する研究」

効果的に火災を予防するためには、消防機関が火災原因を調査し、その結果を予防対策に反映していくことが必要である。しかしながら、火災現場では経験的な調査要領に基づくことが多く、静電気着火や爆発、化学分析等のように専門的な知見や分析方法を必要とする分野では、消防機関が利用可能な技術マニュアルの整備がなされていない。このことから、有効な火災予防対策が行えるよう、[1]着火性を有する静電気放電の特性の把握、[2]不良部品、不適切な取り扱いによる電気火災発生危険性の分析、[3]火災現場での試料の採取・保管方法及びデータ解析手法に関する指針の作成、[4]煤の壁面付着状況の観察に基づく煙の動きの推定、[5]火災現場における爆発発生の判断指針に関する技術マニュアルを作成することを目的とした火災原因調査能力の向上に関する研究開発を行っている。

イ サブテーマ「火災時における自力避難困難者の安全確保に関する研究」

火災における人的被害を軽減するためには、火災が発生した建物からの迅速な避難が必要であり、特に、自力避難困難者が在館するグループホームなどの施設においては、建物個々の構造や設備、在館者の状態に応じ、きめ細かく避難対策を講じていくことが重要である。これら施設における自力避難困難者の安全確保のために、火災時避難計画の策定に資する避難方法の分析や避難介助行動、避難を補助する機器の開発を目的とした研究開発を行っている。

第6章 消防防災の科学技術の研究・開発
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