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特集1 熊本地震の被害と対応
(2) 消防庁の対応

ア 応急活動等

4月14日21時26分の地震発生と同時に、消防庁消防防災・危機管理センター内に消防庁災害対策本部(本部長:消防庁長官)を設置し、震度5弱以上を観測した熊本県及び宮崎県に対して、適切な対応及び被害報告について要請するとともに、当該県内の消防本部及び市町村に直接被害状況の問合せを実施した。

消防庁長官は、緊急消防援助隊の応援等の要請等に関する要綱に規定された迅速出動基準*1及び熊本県知事の要請に基づき、10県の知事(兵庫県、岡山県、広島県、高知県、福岡県、佐賀県、長崎県、大分県、宮崎県及び鹿児島県)に対して緊急消防援助隊の出動を求めた。

また、迅速・的確な情報収集、緊急消防援助隊の派遣に係る円滑な連絡調整等を図るため、発災後直ちに熊本県及び熊本市にそれぞれ2人の消防庁職員を派遣することを決定した。

4月16日1時25分の地震発生直後、震度6弱以上を観測した熊本県及び大分県に対して適切な対応及び被害報告について要請するとともに、当該県内の消防本部及び市町村に直接被害状況の問合せを実施した。

また、被害が甚大なものになることが予想されたことから、消防庁長官は、新たに10都府県の知事(東京都、京都府、大阪府、鳥取県、島根県、山口県、徳島県、香川県、愛媛県及び沖縄県)に対して緊急消防援助隊の出動を求め、さらに、先に出動の求めを行った大分県を除く9県の知事に対して増隊を求めた。

4月16日6時30分には、消防庁職員2人を阿蘇市に追加派遣、さらに、10時30分には、技術支援のため消防研究センターの職員2人を熊本県に派遣した。

政府非常災害対策本部は、事務局に各省庁の要員からなる物資調達・輸送班を設置し、被災者に必要不可欠な物資を迅速に供給するため、熊本県からの要請を待たずに、水、食料及び生活必需品を供給するプッシュ型支援を実施した。消防庁では、同事務局に職員を派遣し、毛布、簡易トイレ及びブルーシートの調達、被災地への搬送等についての調整を実施した。

5月2日には、高市総務大臣が、蒲島熊本県知事、大西熊本市長、長野南阿蘇村長及び西村益城町長との意見交換や南阿蘇村及び益城町の消防職員・団員への激励を行うとともに、被災者をお見舞いするため、避難所を訪れた。

*1 消防庁長官と都道府県知事及び市町村長の間で、最大震度6弱(政令市等の場合は5強)以上の地震が発生した場合に、震度階に応じて地震発生と同時に消防庁から出動に関する措置要求を行う条件を定めておき、当該条件を満たした場合に緊急消防援助隊の迅速な出動を行うもの。
南阿蘇村役場での南阿蘇村長と高市総務大臣との意見交換(5月2日)

イ 災害現場における安全確保支援及び被災地調査

消防研究センターでは、阿蘇地域の土砂災害による捜索・救助活動現場において、余震等により新たに発生する土石流の危険性について検討し、救助隊の安全確保を図るための監視所の配置、活動の停止及び再開の基準並びに避難範囲、警戒範囲等に関する助言を行い、現場の消防部隊に対する安全管理上の技術支援を行った。

また、発生した火災のうち、熊本市及び益城町における火災の発生状況の調査を行うとともに、八代地区の石油コンビナートにおいて現地調査を行った。危険物施設に大きな異常は認められなかったものの、同地区内の道路に小規模な液状化の痕が認められた。

ウ エコノミークラス症候群への対応

避難生活が長期化する中、食事や水分が十分に採れず、車などの狭い座席に長時間座っている住民も見られ、血行不良が起こり、いわゆるエコノミークラス症候群の発症が多発した。このため、避難所で生活する被災者や車中泊する避難者等の健康を守るための対策が必要となった。

消防庁では、厚生労働省からのエコノミークラス症候群に関する事務連絡を受け、各都道府県消防防災主管課あてに事務連絡を発出し、注意喚起及び予防方法の広報について、消防本部及び消防団事務を処理する市町村に対して、協力を行うよう依頼した。

特集1 熊本地震の被害と対応
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