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特集1 熊本地震の被害と対応
(2) 消防庁が取り組むべき課題

熊本地震の検証等を踏まえた取り組むべき課題として、地域の災害対応力、発災時の情報収集体制及び消防機関の活動体制の強化が挙げられる。

ア 地域の災害対応力の強化

熊本県内の5市町(八代市、人吉市、宇土市、大津町及び益城町)で、災害対策の拠点となる庁舎が損壊するなどして、その機能を移転せざるを得ず、被災者支援などの応急対策業務にも支障が生じた。このうち、庁舎が耐震化されていたのは益城町のみ、業務継続計画が策定されていたのは、八代市と大津町のみだった。このため、庁舎の耐震化を推進することや代替庁舎の特定を含む非常時優先業務の特定等の業務継続性を確保することの重要性が改めて認識された。

また、被災自治体における行政機能の低下及び膨大な応急対策業務に対応するため、被災自治体に対して全国から応援が入ったが、応援職員も含めた指揮命令系統の確立など、それらを受け入れる体制が課題となった。

イ 発災時の情報収集体制の強化

救助活動においては、緊急消防援助隊を含む各消防機関の活動方針の策定、関係機関との調整等をより円滑・的確にするため、被災状況の映像等をリアルタイムで国・地方で共有するなど、被害状況等の情報を一元的に把握することの重要性が改めて認識された。

ウ 消防機関の活動体制の強化

緊急消防援助隊の宿営場所であった熊本県消防学校では、屋内訓練場の天井が4月16日1時25分の地震で崩落するなど、既設の建物を活用した宿営が困難であったため、長期にわたり屋外でのテント等による宿営を行った。また、南阿蘇村では、道路が寸断されていたり、ガソリンスタンドの燃料の在庫が少なかったりしたため、消防車両への円滑な燃料補給が困難な状況であった。

このようなことから、緊急消防援助隊の応援出動時においては、被災地の天候やインフラ被害などの影響を受けない宿営場所の設営や車両等への安定した燃料供給など、自立的な活動体制の確保が課題となった。

また、被災地の消防団は、自らも被災者であるにもかかわらず、発災直後から、消火、住民の避難誘導、安否確認、救助、行方不明者の捜索等、様々な活動に献身的に従事し、消防団の重要性が改めて認識された。

特集1 熊本地震の被害と対応
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