特殊災害室
コンビナート防災対策等の推進
(1)石油コンビナート等の防災対策
    石油コンビナート等災害防止法により、大量の石油(貯蔵・取扱量が10万キロリットル以上)又は大量の高庄ガス(処理量が2千万立方メートル以上)が集積している地域については、
石油コンビナート等特別防災区域
(PDF)として、33道府県86の区域が指定されています。
石油コンビナート等特別防災区域は、大量の危険物等が集積している区域で、ひとたび火災等が発生した場合には甚大な被害となることが懸念されることから、消防法や高圧ガス保安法等の規制に加えて、石油コンビナート等災害防止法により、特定事業者に対して自衛防災組織の設置の義務付けや
事業所内の施設配置を規制(レイアウト規制)
(PDF)することにより、災害の拡大防止を図ることとしています。
また、同法により、石油コンビナート等特別防災区域が存在する道府県には石油コンビナート等防災本部が常設されており、消防機関をはじめとした防災関係機関、特定事業者が一体となって防災体制を確立する体制が整備されています。
しかし、平成15年9月26日に発生した十勝沖地震では、北海道苫小牧市内の石油精製事業所において、多数の屋外貯蔵タンクの損傷、油漏れ等の被害が発生し、地震発生から約54時間が経過した後に浮き屋根式タンクの全面火災が発生しました。これまで浮き屋根式タンクで発生する火災については、リング火災を想定していましたが、このたびの災害では、従来の想定とは異なる事態が散見されたので、タンク全面火災等を想定した防災対策が必要となりました。
出光興産竃k海道製油所におけるタンク火災
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この災害想定の拡充に対応するため、防災資機材等の機能強化に伴う防災体制の整備(「大容量泡放射システム」配備に伴う「広域共同防災組織」の導入)を図るとともに、防災業務の適正化及び責任の明確化、防災規程の実効性の確保とそれに伴う行政の関与、防災管理者等への研修機会の提供等に係る所要の規定整備を行うことが必要となりました。
消防庁においては、石油コンビナート等特別防災区域における防災対策に係る現下の課題に対応するため、石油コンビナート等特別防災区域における消防力の充実強化及び防災体制の充実強化を盛り込んだ
石油コンビナート等災害防止法の一部改正
(PDF)を行いました。(平成16年6月2日公布、防災体制の充実強化にあっては同年12月1日施行、消防力の充実強化にあっては平成17年12月1日施行。)
今後とも、石油コンビナート等特別防災区域の防災体制の充実強化に努めていくこととしています。
(2)その他の特殊災害対策
船舶災害対策
船舶火災は、船舶の構造が極めて複雑であるため火点の確認や消火などが困難なことから、長時間に及ぶケースが多く、また、外国船の場合、種々の制約があるなど消防活動に支障をきたしている例もあります。
このため、船舶火災時における消防活動上の留意事項、有効な資機材、外国船に係る留意事項等を取りまとめた「船舶火災対策活動マニュアル」を作成するなど防災対策の推進に努めています。
また、平成9年1月に発生した「ナホトカ号海難・流出油災害」を踏まえ、地域防災計画の見直しを含めた地方公共団体における流出油等災害対策の充実強化を推進するとともに、関係機関と協力しながら広域的な応援体制など流出油等災害対策のより一層の充実に努めています。
航空機災害対策
航空機事故は、いったん発生すれば、大惨事を招来するおそれがあり、初期における消火救難活動が極めて大切です。
また、航空機事故の大半は、空港及びその周辺(滑走路の中心より10km内)で発生しています。このため、消防庁と国土交通省は空港及びその周辺の消防機関の消防力の整備を促進するとともに、消防機関、空港管理者及び医療関係者等との間における消火救難に関する協定の締結を推進するなど防災対策の充実に努めています。
長大トンネル等の防災対策
鉄道、道路等の交通網の整備に伴い、長大トンネル(青函トンネル、関越トンネル、東京湾横断道路トンネル等)が出現しています。また、大深度地下空間(おおよそ40メートル以深の地下空間)は、貴重な空間資源として開発等の準備が進められています。これらの長大トンネル等は、閉鎖性が高いことから、火災等の災害発生時には、利用者の避難及び消防活動等が困難となることが考えられます。
このため、長大トンネルに係る非常用施設(通報・警報設備、消火設備等)の設置、避難経路の確保、通報体制の整備等、防災安全対策の推進に努め、また、大深度地下空間の特性に応じた防災対策について検討を進めています。
また、平成15年2月に発生した韓国大邱(テグ)市における地下鉄火災を踏まえ、消防庁及び国土交通省では、「地下鉄道の火災対策検討会」を設置し、我が国の地下鉄道の安全対策について総合的に検討を進め、平成16年3月、その検討結果 (※
概要
)を取りまとめています。
大邱火災現場
(最も煙の噴出が激しかったといわれる南東部地下出入り口と排気口)
(3)林野火災に備えて
林野火災は、ひとたび発災し、対応が遅れると貴重な森林資源を大量に焼失するばかりでなく、家屋等へ被害が及ぶこともあり、ときには隣接市町村、隣接都府県に拡大することもあります。
消防庁では、林野火災対策として、毎年全国山火事予防運動を実施し、火災予防の啓発を実施しているほか、防火水槽等の林野火災予防施設の整備に対する支援や、広域的な消防応援体制の充実に努めています。
また、平成18年度は、林野火災発生時の消防体制の整備を図り、被害の低減に資することを目的として「広域的な林野火災の発生時における消防活動体制のあり方検討会」を開催し、広域的な林野火災が発生した場合の関係機関の連携・情報共有のあり方や、消防活動時における偵察・情報収集手段としての無人航空機(UAV)の利用可能性について検討を行い、報告書を取りまとめ広く公表しました。
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