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消火器の不適正な点検等に係る情報の提供について
平成9年12月1日
消防庁 予防課
消防法上の義務により設置されている消火器については、その適正な維持管理を確保するため、定期の点検・報告が義務づけられております。消防庁では、点検に係る資格者制度、消防用設備等点検済表示制度(消防用設備等の点検を行った際に当該点検が適正に行われたことを表すためラベルを貼付する制度)などを通じ、点検の確実な履行の推進を図っているところです。
しかしながら、最近、建物に設置されている消火器について、悪質な点検業者により、不適正な点検の実施、消火器の未設置状態(持ち去り)、不当に高い点検手数料の請求などのトラブルが引き起こされている事例が散見される状況にあります。
これらの行為は、消防用設備等に係る適正な維持管理の妨げとなるとともに、点検制度の信頼性の低下を招くおそれがあることから、消防庁では、本日付けで各都道府県消防主管部長あてに消火器の不適正な点検等に係る情報提供を行い、関係者への周知を図りました(別添参照)。これにより、関係者の注意が喚起され、同種のトラブルの発生防止に寄与することが期待されます。
(別添)
消防予第186号
平成9年12月1日
各都道府県消防主管部長 殿
消防庁予防課長
消火器の不適切な点検等に係る情報の提供について
消防用設備等の適正な維持管理等については、消防法令による定期点検、定期報告の制度に加え、消防用設備等点検済表示制度を通じ、点検実施者の責任の明確化、その資質の向上、防火対象物の関係者等による点検の確実な履行の促進を図っているところである。
最近、防火対象物に設置されている消火器について、別紙のような手口の点検を行う業者により、不適切な点検の実施、消火器の未設置状態、不当に高い点検手数料の請求などのトラブルが発生している事例が散見される。これらの行為により、消防用設備等に係る維持管理、ひいては消防用設備等に係る点検制度自体の信頼性の低下を招くおそれがあると考えられる。
ついては、防火対象物の関係者等に対し、別紙に掲げる情報を提供するなど、その周知方について格段の配慮をされるとともに、貴管下市町村に対しても、よろしくその周知を図られたい。
おって、財団法人日本消防設備安全センターからも、消防設備保守協会等に対して情報提供が別途行われる予定である。
別紙
消火器の不適正な点検等を行う業者の手口について
1 狙われる防火対象物
消火器を相当数設置している防火対象物を狙う。
特に
1. 支店、出張所等出先が多い事業所
2. スーパー・百貨店等店舗数の多い事業所
3. 私立の学校、幼稚園その他の施設
など、施設管理の間隙を狙われることが多い。
2 出入りの点検業者を装う
「〇〇日、消火器の点検に伺います。」
「消火器の点検にきました。」
「いま、〇〇店にいますが、〇時頃、そちらの点検に行きます」
などと、出入りの点検業者を巧妙に装い、関係者を信頼させる。
3 集める・調べる
1. 点検の承諾を得ると、施設内の消火器を素早く集める。
2. どこの業者がいつ点検しているかを把握して、点検の理由づけをして契約書を作成する。
4 契約書に署名を求める
1. 窓口で「消防用設備点検等契約書」(B5判の半分の大きさ)に署名又は押印を求める。この場合、出入りの点検業者と勘違いしているため、契約書の内容を確認せず署名、押印してしまう。
2. 出入りの点検業者と関係ないことや、点検等の理由づけがいつの間にか 記入され、一見、合法的な契約書になっている。
5 代金を請求する
1. 点検用車両に消火器を積載して持ち帰り(近くにステーションを設けている。)、頃合いをみて請求書を提出し支払いを求める。
・ 製造年月3年以内の消火器(法令上、原則として機能点検を要しないこととされている。)を全数機能点検の代金を請求する。
・ 出入りの点検業者が点検した直後であっても、全数機能点検で代金を請求する。
2. 金額が著しく高額である(ここで初めて悪質業者の被害にあったことに気づく)。
3. 勘違いにより点検を依頼した旨を告げると「契約書」を示し、合法的な契約であることを主張する。
6 脅迫する
1. 支払いしないのであれば、裁判にする。
2. 会社の営業ができないようにしてやる。
3. 家族に災難がかかるかも知れない。
などと、脅迫的な言動で支払いを要求する(多くの、被害者は、ここで泣き寝入りして、会社または、押印した個人が支払いするケースが多い。)
7 消火器の返還を拒否する
(著しく高額であるため)代金を支払わない場合、
1. 「支払いするまで消火器を保管する」と言って消火器を持ってこない。
2. 「消火器の保管料を請求する」と言う。
3. 支払いを拒否したところ、消火器が返還されない。
などと、持ち去った消火器の返還を拒否する。
8 不誠実な点検を行う
1. 薬剤の詰替えをしないで、詰替えをしたように見せかけて「詰替料」を請求する。
2. 詰替えをした場合であっても、「古い薬剤」の詰替えであった。
3. 消火器のキャップ・ボンベ等の締めつけ不良等があり、危険性が増大する。
4. 点検、詰替中において、施設内の消火器未設置の状態が発生する。
5. 点検後、消火器の適正配置をせず、特定の箇所にまとめて設置する(元のところへ配置しない)。
参考資料
「不適切な点検」に係る相談事例
事例 1
相談者
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運送会社 課長
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事例
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作業着を着た3人が会社窓口に現れ、「消火器の点検にきました」と言うので、いつも出入りしている点検業者と思い点検をお願いした。契約書のサインも、内容をよくみず行った。
部下の社員から、いつもの点検業者と違うのではないかと言われ、驚いて中止を求めたが、もう点検しているからと、点検料金を請求された。
請求金額 消火器30本 機能点検 315,000円
1. いつも出入りしている点検業者と思って間違ってお願いしたこと、3月前に点検して点検済でありその旨が表示されていること、全数機能点検の必要がないこと等から支払い義務のないことを説明したが、点検業者は契約書にサインしていること等から契約は有効であることを主張し、紛争した。
2. 脅迫的な言動もあり、会社の信用を考え、課長が2ヶ月後に支払ううと約束した。
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事例 2
相談者
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私立高等学校 教頭
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事例
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休日、学校に電話があり、当直事務所員が受けたところ「いまから消火器の点検に行きます」と言うので、いつもの点検業者だと思い承諾した。数分後に3人が事務所窓口に来たので事務職員がサインした。
2時間後に集金に来るというので内容を確かめたところ、高額であることに驚き、警察や弁護士にも相談した。騙されたのだから支払い義務はないとの見解だったが、点検業者から、裁判所に訴えるとか、その他脅迫的な言動もあり、あとあと面倒と思い支払うこととした。
請求金額 消火器 65本 詰替 1,477,000円
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事例 3
相談者
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専門学校 事務長
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事例
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「消火器の点検に来ました」と突然に訪問を受けた。事務長が点検をお願いしたのだろうと思って、職員が契約書にサインした。 点検後、請求書の内容をみて驚いた。翌日集金に来るというので、いろいろ交渉したが、怖いので支払いした。
請求金額 消火器薬剤詰替 7本
新品消火器 5本 合計 255,000円
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事例 4
相談者
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薬品会社 係長
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事例
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「消火器の点検に来ました」と言って窓口の女性事務員に契約書にサインを求め、消火器32本を集めて持ち帰った。数時間後、消火器を持参、薬剤詰替代金の支払いを求められたが、不当に高額であったため社内で責任問題となり紛糾した。
会社の信用問題もあるので、不当な請求を承知の上で支払いした。
請求金額 消火器詰替 32本 516,000円
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事例 5
相談者
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電力関係 課長補佐
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事例
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会社支店から離れた場所にある倉庫において、「消火器の点検に来た」ということで消火器を集めて持ち帰った。その際、契約書にサインを求められたが、預書と思いサインした。数時間後、不当に高額な代金の支払いを求められ、この時点で初めて騙されたことに気づき、支店の課長補佐に連絡した。出入りの点検業者と誤認して承諾したものであるため、警察、弁護士と相談のうえ、「支払いしない」と当該点検者に伝えた。
請求金額 消火器詰替 9本 223,000円
(注)消火器は、当該点検業者が持ち去ったままになっている。
(事例発生から3ヶ月後現在)
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事例 6
相談者
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スーパー 店長
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事例
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「〇日に消火器の点検に来る」と電話があった。不審な点もあるので出入りの点検業者に確かめたところ、違う点検業者であることがわかった。悪質点検業者が来る予定日の前に消火器の全数点検を行い、待ち構えていたが、遂に現れなかった。
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