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地震時における出火防止対策のあり方に関する調査検討報告書について

平 成 10 年 7月 23日
消防庁震災対策指導室
初めに

 阪神・淡路大震災は、私たちに近代都市を直下型地震が襲った場合の被害の甚大性を再認識させるとともに、より一層の防災対策の推進の必要性を痛感させる災害でした。特に地震により発生した火災は285件を数え、焼損床面積は834,663uにも及んだことは、地震時における出火防止対策の推進が焦眉の急であることを示しています。
 このような状況を踏まえ、消防庁では、平成9年度に、「地震時における出火防止対策のあり方に関する調査検討委員会(委員は参考資料1参照)」を設け、「阪神・淡路大震災における火災の発生状況と出火原因」を整理するとともに、「地震時における出火防止対策に関する提言」をとりまとめ、本日、全国の都道府県及び消防本部に配布しました。
阪神・淡路大震災における火災の発生状況と出火原因

(参考資料2参照)
地震発生後数時間又は数日経過してからの火災に注目(参考図1参照)

     出火件数285件のうち、地震発生当日の火災は206件(72%)であり、地震発生翌日及び翌々日にもそれぞれ約20件の火災が発生しています。
     さらに、地震発生当日の時間帯別出火件数を見ると、6時までの総出火件数が87件であるのに対し、6時〜8時の出火件数が54件、8時〜10時の出火件数が33件と地震発生後、数時間、数日経過してからの出火が相当あることは注目すべき事象と言えます。

同時多発火災出火率と建物全壊率とは高い相関有(参考図2〜5参照)

     出火点の分布は建物全壊率と高い相関を持っており、震度6以上、とりわけ震度7以上の地域に多く発生しています(参考図2及び3参照)。
     また、大規模延焼火災は単に出火件数が多かっただけでなく、木造率や建ぺい率等の市街地条件の影響を受けているものと推察できます。特に、火災1件当たりの平均焼損棟数(平均火災規模)と平均木造率や平均隣棟間隔の関係を調べると、相関が高いと言えます(参考図4及び5参照)。

出火件数の分析に基づく出火原因の特徴

    1 発火源別出火件数では電気による発熱体が3割で最も多い(参考図6参照)
       火災285件のうち、「不明」の146件を除けば「電気による発熱体」が29.8%(85件)と最も多く、その内訳では、「移動可能な電熱器」(40件)、「電気機器」(16件)、「電灯・電話線等の配線」(19件)が多くを占めています。なお、平成7年中の火災全体では、「電気による発熱体」の構成比は10.4%でした。
    2 着火物別出火件数では「繊維類」、「ガス類」が多い
       火災285件のうち、「不明」の147件を除けば「繊維類」が10.8%(31件)、「ガス類」が8.1%(23件)と多くなっています。なお、平成7年中の建物火災全体では、「繊維類」が13.9%、「ガス類」が0.6%でした。
    3 経過別出火件数では「地震のために家が倒れる」が多い
       火災285件のうち、121件が「その他・不明」、52件が「天災地変による−内訳:その他」となっている中で、「天災地変による−内訳:地震のために家が倒れる」が13.3%(38件)あることは、家屋の倒壊による出火も無視できないほど多く発生していることを示しています。

初期消火の重要性(参考図7参照)

    火災285件のうち、146件では初期消火が行われています。そのうち、火災の鎮火に対して有効だったものが58件(初期消火が行われたものの約4割)を占めています。
     消火に用いられた物は、「消火器」が81件で最も多く、初期消火有効率も46.9%と高い値を示しています。次いで「水道・浴槽の水・汲み置き」が29件で、初期消火率は34.5%となっています。
     このことから、地震時の火災に対する初期消火の重要性と、火災規模が小さい段階であれば消火器でも大いに効果を発揮することがわかります。

地震火災の出火原因は時代とともに推移(参考図8参照)

     関東大地震(大正12年)や福井地震(昭和23年)では、「かまど」・「こんろ」等の割合が多くを占めていましたが、新潟地震(昭和39年)以後は、これらに代わって「ガス関係」・「石油機器」等の割合が多くなっています。更に釧路沖地震(平成5年)以後は、「電気ストーブ」・「電気こんろ」等の電気関係からの出火割合が増加しています。
     このように、地震火災の原因は、使用している火気器具や燃料、エネルギー等の生活様式の変化と安全対策の充実によって様変わりしていると言えます。

神戸市及び大阪市における出火状況と出火原因を詳細に分析

     神戸市では、1月17日5時46分から1月27日5時45分までの10日間で合計 175件の火災が発生しています。また、大阪市でも、1月20日までの間に16件の火災が発生しています。
     報告書では、これらの火災の出火状況と出火原因を詳細に分析し、紹介しました。

地震時における出火防止対策に関する提言

電気に起因する火災の出火防止対策に関する提言(参考資料3参照)

     日常生活に欠かせない電気も、地震時においては出火要因になりうるものであるため、出火防止対策を十分に講ずる必要があります。そのためには、常日頃から(1)に示すようなことに注意を払う習慣を身につけることが大切であるとともに、(2)や(3)に示す対策を適宜選択して出火防止に努める必要があります。

(1) 適切な出火防止行動の実施

    ア 日常において注意すべき点
       電気機器の正しい使用、不要な電気機器の電源プラグを抜く、適切な設置場所・方法の選定、可燃物・落下物に対する配慮、分電盤の位置把握
    イ 地震時に注意すべき点
       使用中の電気機器の電源を切る、避難時等の分電盤遮断、電気機器の地震後使用に当たってのガス漏れや電源コード器具の安全確認

(2) 電気の供給を建築物内に入るところで断つシステム

     一般家庭においては、過大な電流が流れた場合には、安全ブレーカーによって電気が遮断されます。
     この他に、漏電ブレーカー感震ブレーカー感震コンセント等の採用が地震時における出火防止上有効です。

(3) 個々の電気機器等の安全性を高める対策

     地震時における電気機器等からの出火を防止するために、各種電気機器等の安全装置を紹介するとともに、利用者に気を付けてもらいたい機器毎の出火防止対策を示しました。
     具体的に提案している電気機器等の種類は、電気ストーブ鑑賞魚用ヒータオーブン及びトースター白熱電球型電気スタンド電気こんろ屋内配線電源コード類です。

ガスに起因する火災の出火防止対策に関する提言(参考資料4参照)

     日常生活に欠かせないガスも、地震時においては出火要因になりうるものであるため、出火防止対策を十分に講ずる必要があります。そのためには、常日頃から(1)に示すようなことに注意を払う習慣を身につけることが大切であるとともに、(2)〜(5)に示す対策を適宜選択して出火防止に努める必要があります。

(1) 適切な出火防止行動の実施

    ア 日常において注意すべき点
       ガス機器の正しい使用、不要なガス機器のガス栓閉止、適切な設置場所・方法の選定、可燃物・落下物に対する配慮
    イ 地震時に注意すべき点
       使用中のガス機器のスイッチを切りガス栓を閉める、ガス臭に注意

(2) ガスの供給を建築物内に入るところで断つシステム

     ガス使用時における異常状態を検知し、遮断弁で自動的にガスを遮断するものとして、マイコンメーター緊急ガス遮断装置(感震自動ガス遮断装置)があります。
     さらにLPガスでは、ガス放出防止器専用固定具を用いない容器の固定専用固定具を用いる容器の固定が地震時における出火防止上有効です。また、簡易ガス事業では感震ガス遮断装置が出火防止上有効です。

(3) ガス用安全設備

     地震時において建築物内でガスが洩れないように、ヒューズガス栓ガスコードガス漏れ警報器業務用自動ガス遮断装置等を用いることは出火防止上有効です。

(4) 耐震性に優れたガス配管・工法

     地震時における配管からのガスの漏えいを防止するために、耐震性に優れた材質のガス管を用いること耐震性を考慮した配管設計をすることが出火防止上有効です。

(5) 個々のガス機器等の安全性を高める対策

     地震時におけるガス機器等からの出火を防止するために、各種ガス機器等の安全装置を紹介するとともに、利用者に気を付けてもらいたい機器毎の出火防止対策を示しました。
     具体的に提案しているガス機器等の種類は、ガスストーブガスこんろです。

石油に起因する火災の出火防止対策に関する提言(参考資料5参照)

     石油を用いた機器等で、地震時に出火要因になりうるものとしては、石油ストーブが一般的です。出火防止対策としては、常日頃から(1)に示すようなことに注意を払う習慣を身につけることが大切であるとともに、(2)に示す対策を適宜選択して出火防止に努める必要があります。

(1) 適切な出火防止行動の実施

    ア 日常において注意すべき点
       石油ストーブの正しい使用、適切な設置場所・方法の選定、可燃物・落下物に対する配慮、注油時等に灯油をこぼさない
    イ 地震時に注意すべき点
       石油ストーブのスイッチを切る。

(2) 石油ストーブの安全性を高める対策

     地震時における石油ストーブからの出火を防止するために、石油ストーブの安全装置を紹介するとともに、利用者に気を付けてもらいたい出火防止対策を示しました。

 

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