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消防審議会議事要旨

I
日時 平成17年11月24日(木)10時02分〜12時10分
II
場所 グランドアーク半蔵門 4階「富士(西)」
III 出席者
委員 菅原会長、秋本委員、上田委員、大河内委員、小川委員、金子委員
重川委員、島崎委員、関口委員、山脇委員
消防庁 消防庁長官以下18名
幹事 京都市消防局長、長野市消防局長、関係省庁等
IV 次第
1. 開会
2. 長官挨拶
3. 会長挨拶
4. 議事
「報告事項」
 (1)諮問事項
  「今後の消防体制のあり方について」
 (2)報告資料
  1 気管挿管の実施状況調査等及びAEDの使用を踏まえた消防機関の対応状況等について
  2 住宅防火対策について
  3 予防技術資格者について
  4 パキスタン・イスラム共和国に対する国際消防救助隊(IRT-JF)の派遣について
5. 閉会
V 会議経過
 消防庁による諮問事項の説明の後、質疑応答及び意見交換が行われた。主なものは、次のとおり。
 広域化の推進に対し大きく障害になるものというのは何があるのか。
 これまで広域化の必要性については理解されていたが、なかなか進まなかった原因としては、広域化をする場合には、その消防本部自身が話し合うこと以外に、都道府県が一緒になって、県全体の消防体制のあるべき姿を議論することが大変重要であるが、都道府県は自分のところに消防業務の実動部隊を持っていないため、都道府県の消防業務についての体制が弱く、なかなか都道府県が音頭を取っても市町村がこたえてくれない。あるいは市町村がやろうと思っても、なかなか調整がうまくいかないことが一つはあった。
 もう一つは、平成6年にこの広域再編を進めようということで通知を3本ほど出して進めたが、市町村合併、平成の大合併の時期と重なり、むしろ合併によっていろいろな地域の対立とかに巻き込まれて、かえって管轄区域が狭くなってしまうというような、広域化に逆行するような動きがあり、それを防止するということに精力を注がざるを得なかったということがあり、余り進んでこなかったと考える。
 一定の期限を区切ってというふうに書いてあるが、大体どのくらいを予測されて実現するのか。
 その辺りもぜひ委員からご意見をいただきたい。広域化計画の義務づけができるかどうかということはあるが、仮に国からお願いをするとした場合、一定の、例えば1年とか2年のうちにその計画を策定して、それから広域再編に取り組んでくださいというようなことが考えられるかどうかという意味である。
 個人的な意見であるが、広域化を進めるときは、組織力、優秀な人材、特にこういう場合は体力も知恵もということだが、あと予算である。これをどう獲得できるか。それがないと動けないわけであり、いろんな絡み合いの中で、しっかり予算だけは確保して組織を考えていく、そういうことをどうするのか。そこが多分交錯していて大変であろう、案は出すのだがなかなか受けてもらえないとか。
 ただ、非常に大事なのは、基本的には国民ベースで、自分らもしていくのかというところ。これに対して寄与しなければいけないわけだから、現場の消防力というのが非常に尊重されて、なお都道府県の組織との中でうまく考えるというか。なかなか難しい課題と考える。
 この「主要な論点」で書かれているようなことは、私は余り心配していない。阪神淡路大震災以降の消防力の向上というのは目をみはるものがあり、信頼もしている。  ただ、一つ、消防審議会として、各委員から意見を聞きたいと思っているところがあるのだが、一つの枠組みの中でやりくりをしようというところで必死になっているわけで、これはどの役所もそうなのだが、実際これでいいのか、本来どうあるのが望ましいのかというところを、例えばマンパワーの面から見てもはっきり出していって、財務省と理解し合うというようなところがないといけないと考えている。
 マンパワーが命といえるような組織というのは、陸上自衛隊であったり、あるいは消防庁であったり、あるいは海上保安庁であったりするわけであり、本来であれば財務省と個々の役所がきちっと話し合って、理解し合っておくべきことではないか。ところが、それがないものですからおかしなことになってしまい、現場は苦しむのである。消防についても、本来どのようなあり方が望ましいのかというところをもう少し詰めて、日ごろから財務当局と話をするような機会があればすごくいいと考える。
 広域化を進めるという立場でしばらく仕事をしていたが、広域化をするということのメリットだとか、広域化をしなければならないという思いとか、そういうものが実感として余りなかったという気がする。広域化しなければどうしてもやっていけないというほどの実感というのが現場では余りなかったのかもしれない。予防活動だとか何かについて高度なことをもっとやらなければいけないと思っていても、それが一般の人にはなかなかわかりにくいとか、緊急消防援助隊の仕組みが整備されてきて、大きな災害のときには何とか応援してもらえるというようなことになってきたとか、そういうことになってくればくるほど、今のままでも相当やれるのではないかという思いもあるのではないか。
 広域化を進めるに当たっては、広域化して規模を大きくしなければいけないのだということの必要性とか、本当に今のままだったら、いざというときに困るようなこと、逆に言うと、広域化すればこういうメリットがあるとか、お金の面がこうなるとかをしていかなければならない。
 片方でもう一つ、市町村長にしてみると、広域的に体制をつくるということの必要性と同時に、それぞれの地域ごとの消防・防災体制をどうしていくかということが、もしも火事が出たらすぐ消してもらえる、何か災害があったらすぐ対応できる、そういう体制もそれぞれの地域ごとにつくっておかなければならないということも、市町村長の立場にするとあるのだろう。だから、そのこともこの広域化の中では考えておかないといけないのではないか。また、そうなると大事なのは、消防団の位置づけをどうしていくかということである。常備消防の広域化の中で消防団というのを地域の消防・防災体制の中で、例えば市町村長はどううまくこれを使っていくか、使っていけるかといったようなことをあわせて考えおく必要性があるのではないか。消防・防災体制全体でいうと、団よりも、さらにいえば、一般の住民を含めた体制をどうしていくかとか、そういう総合的なものも片方で必要なのではないか。そういったことをあわせて進めていって、そして市町村長にしてみると、自分の町の防災体制はこれで大丈夫だということが実感できるような状況をつくっていって、みんなに納得してもらうかというようなことが必要ではないか、言うのは簡単で、実際やるのはなかなか難しいと考えるが、これが必要ではないか。
 いろいろと話をいただいて、広域化がなかなか進まなかった理由というのは、今の話に大体尽きているのではないか。
 先程のマンパワーの話についても、大変重要な問題だと考える。例えば、今、自衛官が大体25万5,000人、警察官は全部足しますと大体25万人、消防職員は全国足しまして15万5,000人である。いわゆる危機管理のマンパワーとしては3番目の大きなマンパワーを有している。ただ、ほかと違うのは、警察は都道府県と国との組織になっているが、完全な市町村消防という形に消防はなっている。
 ただ、関心事項の一つは、この15万5,000人というマンパワーを一番効率的に活用する体制というのは、全国的に見た場合にどういう体制なのか考えるとき、今後、こういう財政状況の範囲内で最大限の防災力を発揮するためにどのような形がいいのであろうかというのと、市町村の方から見た場合には、自分のところだけ何とかなればいいんだというふうに考えると、国が幾ら旗を振っても、別にそこまでやる必要はない、手元に置いておいた方がいいやというようなことになるのかもわからないが、そこはより説得しながら、その必要性を説明していきたいとは考える。
 ただ、緊急消防援助隊ができたので、まさかのときには助けに来てくれる。それはそのとおりだが、助けを期待するだけでなく、何かあったときには助けにいくという、そういう組織の集合が消防であればいいと考え、そういう意味で、消防本部の規模の問題とか、そういうのも考えているわけである。
 今から10年ほど前に1市5町4村の消防の広域化の検討委員会のメンバーであったが、当時の問題点を、今日になってどうだったかと若干振り返ると、当時は、広域化をするのには消防署員が非常に反対をした。そんなことをやってもらっては困るという話である。しかし、いろいろな議論の中で、7年前に広域化をした。そして、現在では2市が一つの広域本部。大体11万ぐらいの人口の規模の、市を二つ合わせて一つの広域消防本部になっているが、やはり資機材が非常に整備されたと思う、特に山間地は広域化の恩恵をこうむる結果になったということである。山間地は高齢者をたくさん抱えていて、一人急病人が出ると、搬送しなければならないということを非常に心配していたが、そういう面で非常に効果があったと考える。また、消防署員のレベルの向上や若手の職員に非常にやる気が出た。
 一方では、消防署間で転勤があるので、地理・水利が不案内であるためになかなか熟知されないという問題点があった。やはり広域化になると早く研修を積んで、そういうことをきちっと覚えておくことが大事である。また、一番心配したのは、消防団と広域消防の連携がうまくいくのかということである。当初から大変心配であり、常に消防署と消防団が連携をとれる状況にするため消防署に消防団担当の次長を設置した。消防団と消防署は連携して消火活動をやらなければいけないわけであるので、このような問題があった。また、消防団の予算は市の予算になってしまうので、広域消防では消防団の予算を全然見てもらえないために連携がうまくいくのか。ここら辺を上手にやらないと、消防署と消防団と遊離する可能性が出てくるのではないか。これらの点も十分考えるべきことである。
 住民と消防署員との、例えば自分の村にどういう消防署員がいるかというのは、小さな村ですと全部わかってしまう。広域化になってしまうと、そういう住民と消防署員とのつながりが非常に薄れてくるという問題があるので、どう対応するかということも大事なのではないか。
 結果としては、消防の広域化になって7年ほど経過したが、富山県では幾つかの広域消防を推進するためにいろいろなことを県は指導したのですが、市町村合併問題が出てきてから中断したままである。今は市町村合併が進んだことから、広域化をすべきと思うし、広域化することは時代の流れで、必要なことであると考える。ただし、懸念されることは、消防署と住民との連携、消防団と消防署との連携、市と消防団との連携、こういう関係がやや薄れるのではないか。この点をどうカバーするかということを考えておかないといけないのではないか。
 今の話は大変重要なことだと思う。消防団と常備消防の連携、それから防災、首長部局と常備消防との連携、その体制をどういうふうにするのか。担当の次長を置くとか、そういうことも含めて。これまで進まなかった理由として、そういう議論が十分されて広域化ということが図られるだけの熟度に至っていなかったということがあると思うので、今回、広域再編を進めるとした場合には、地域の中でそういった関係者みんながよく議論をして、都道府県、市町村だけではなく、市町村の消防団あるいは地域住民も含めて議論をして、こういう形で地域防災体制を充実強化していくのだということで広域再編を進めていく必要があるのではないかと考える。
 それから、広域化することによってレベルが向上したなどのメリットが非常にあるということである。これは実際に市町村合併でも、例えばことし京都市が京北町という小さな町と合併し、消防がそれで一つの団体になったわけだが、今までは政令指定都市の京都市の消防局のレベルと京北町とはかなり大きな差があったわけだが、消防力の基準上はそういったところの水準を落とすという基準になってなく、むしろ水準を上げていくという方向に働くことである。これは東京消防庁がほかの市から委託を受けた場合でも、東京消防庁のレベルまで実際上げていくというような形で取り組んでいるところが多いと聞いているが、そういった消防力の充実の方向に働くということが非常に重要ではないかと考える。
 今、京都の話があったが、我々住民が直接サービスを受ける消防署所の活動というのは恐らく、消防力の基準というのがあるから、多少の差はあったとしても、致命的な差はないと思う。消防の規模によって一番違うと感じるのは、本部機能の方である。これまでのように日常的な火災とか救急という目先のルーチンの業務だけに対応するのではなく、長期的な課題に取り組まなければいけない。それから政策的な企画立案やいろいろな事業も展開していかなければいけない。それと人事の適正な登用とか管理とか、そういうことを考えると、本部機能でそういうことができるためには、一定の人なり場所なりが必要になってくると思う。そこが消防の規模によって随分違うということを日々痛感していて、ある一定の規模以上にしなければ、いわゆる政策的なことを考えていく機能を確保できないのではないかと考える。
 一方、どこまでも大勢を目指していくのかというと、決してそうでもなく、非常に地域住民の財産や命と密着した業務であるから、その管内の消防署の管内ごとの特徴とか、職員全体の顔が見えるというか、把握ができるとか、情報管理ができるとかという意味では、それに適した上限規模というのもあるかもしれないし、いずれにしても、そういう面から見ても、一定規模以上の規模を確保していくということは必要なのではないかと考えるのが一点です。
 2点目は、尼崎の救助現場へは緊急消防援助隊、兵庫県隊、それから自主的に行った神戸消防局や地元の尼崎の東消防署もいたが、その力関係というのはやはり数に規定されてくる。ですから、そういう意味で、大きければ偉いとか、何が上、何が下ということはないが、現場での調整能力を持つためにも、一定の数というのはすごく必要なのではないかと考える。
 全国消防の立場からして、広域再編の基本的な考え方のベースには、やはり市町村長、自治体の首長が自分のエリアについての災害対応について自覚した責任をしっかり担うのだというところがまず基本にないと、空中に浮いたような意識になってしまう可能性が出てくる。これからは幾つもの災害経験が出てきて、有事立法というような状況も踏まえて、かなり政治家の、つまり首長なり知事なりに、行政としての責任、政治責任というものが強く言われてくる時代になっていくだろう。
 そういう中で、広域再編をしたときに、それぞれの市長が、我がエリアについて自分が責任を持つ、責任を果たす一つのやり方として、広域というのがあるのだと。
 広域化しますと、消防長が1人、担当するエリアの首長は3人とか4人とか5人、こういうことになってくるので、消防長の行動の仕方は、報告、連絡、相談・調整、こういったものをどういうふうに確立していくか。消防長(トップ)と首長(トップ)がダイレクトで、常にホットラインで災害が起きたときに即時通報する。また、こういう活動をしているということも即時に、しかもリアルタイムで途切れなく首長に入れていく。そして首長も、やってほしいことはどんどん消防長に指示する。そういう形ができるような広域再編にしていかなければならない。広域化によってしっかりとした財政基盤ができる。そして力のある消防本部になれば向上していくと考える。
 個人的な発言でありますが、ノースリッジ地震のときに、災害センターには、市長と警察署長と消防署長が同じ場所にて、災害対応をいろいろなことをやって、そこでいろいろお互いに話し合って、それで、「市長さん、あなた連絡してくれ」と、フェース・ツー・フェースでその場でやっていたというのが大変印象的であった。
 組織というのはピラミッドが非常に重要である。市長も警察署も消防もみんな持っている。その中での命令権というのはやはり上の長の方がやる。ただ、ああいう広域的な責任体制の場合にはフラットにならなければならない。そこで両方が共通にそこで意見交換をして、最もいい仕組みはどうするのかなどを決めている。こういう体制をつくると、組織が大きいとか小さいという問題もその中でまたいろいろ解決してくると考えるが。なかなか今の組織体制の中で、特にこういう救助とか戦闘的な感じのものは難しいところもあるのだろうが、大変重要なことだと考える。
 ノースリッジのことは、私も一年後にリサーチをしたが、ロサンゼルス市の緊急対策本部(EOC)のトップは警察であり、その上の緊急対策責任者(EOO)は市長である。やはり日本との違いは、警察、消防、自治体、関係の部局などの間の調整ということがもともとある。考え方としては、連邦の緊急事態管理庁(FEMA)のような、コーディネートの能力、そういったものがもとにあるということである。
 中越地震のときも、政府としてきちっと司令塔の役割を果たすことができるようにしていくためにはまだかなり勉強しなければいけないなというところがあり、私はもともと危機管理庁のようなものがなければだめだという立場であるが、なくても、消防、警察、自衛隊、関係省庁などについて、きちっとその辺を束ねていくようなあり方というのは、それぞれの役所の第一線も含めてさらに検討を深めていく必要があると考える。
 ここで掲げられている広域化の問題に対し、具体例がいろいろ出てくると、参考になるところがあるのではないか。
 最近のこのような組織化の問題とか予算の問題について、何か参考になるような事例というのは全国から集めているのか。
 広域と、それから今のあり方について、いいことをやっているとか、あるいは失敗した例とか、参考にするといいと思うが。
 集めてあるので、次回の前に委員に配りたいと思う。広域再編について、幾つか非常にいい事例があり、広域再編をして大変よかったというところに、具体的な事例を聞くと、自分たちも広域再編に取り組んでいこうとなるので、検討したいというところには、過去のいい事例を紹介して、一緒に議論をするということをやっている。それが、広域再編のアドバイザー制度というものである。これは実際の消防本部で広域再編で苦労した方と、それから消防庁の職員とが一緒にそういう要請があったところに伺って話をするという制度である。
 また、市町村合併が一段落して、今後の広域再編のあり方というのをどういうふうに取り組んでいったらいいだろうかという意見を、全国消防長会の総務委員会を通じて、意見を取りまとめていただくようにお願いしている。まだ今の時点ではまとまっていないが、そういったものも事前に委員に配り、次回の議論のときに役立てたい。
 広域化を進めるときに、それぞれの地域地域の防災体制をどうするかというのを片方でやっておかないと広域化は進まないと考える。
 例えば消防団の装備について言うと、救助関係の装備、通信関係の装備などでいうと心もとない状態である。安全な体制を整えていくとすれば、片方でそういったようなこともやっておかないと。緊急消防援助隊の応援がくるそれまでの間に、その隣近所でまず助けるということをしなければいけない。そのとき救助器具がなければいけないと思う。このようなことはこれからの課題として忘れないようにしておかなければいけない。そういうことをやりながら広域化というのは進んでいくということではないか。
 それから、市町村長のもとで総合調整をする、そういうことの必要性はすごく高いと思う。ケースによって知事というものもあるだろう。その難しさというのがあるのではないか。
 もう一つ、ここで消防を広域化するということになって、消防までが縁が遠くなるとか、指揮下ではないとかということにならないようにしておくというのを、考えておかなければいけない。そして、そのことが、市町村長の納得を得る要素にもなるのではないか。警察の場合はやはりどうしても県警察、市町村消防とは違う。消防まで手の届かないところにあるなんていうことにはならないとは思うが、心配しなくてもいいということにしておかなければならない。
 広域災害にかかわる問題がいろいろ出ているが、消防を中心とした、自衛隊、警察あるいはそれに医療関係なども入ってくるわけで、それぞれは縦割り的に入っていて、それぞれはこういう会の形できっちりやっているが、現場での調整はもちろん、こういう会での国レベルでの調整、あるいは都道府県での調整、あるいは市町村での調整、そういうものをひっくるめて横割り的に集まってそういう場を持って、調整の音頭取りをこういう形でやりましょう。まさにアメリカのFEMAがそうなのだが。イギリスなどでは、現場調整にかかわるものは災害時医療支援システム(MIMMS)というような形で、医療機関と消防と警察とかが集まった組織で、訓練までできている。日本にそういうシステムを輸入したいというようなオファーまで学会の方にはある。いずれにしても、今言った話が横割り的に行われるようなシステムをつくらないと、現場では実際調整ができないままで、大きな混乱を招くのではないか。
 横割り的な音頭取りと調整をできる形をつくらないと、実際には現場ではなかなかうまくいかない。市町村から国レベルまでの横の関係をうまくとっていただきたい。
 横の関係というのは盛んに言われているが、中越地震のときには現場レベルでかなりその連絡は行われていたと思う。特に消防について言えば、緊急消防援助隊の指揮支援部隊というものが制度としてでき、指定都市ないしは大きな中核都市の指揮者が現場に先乗りして、当該地域を管轄する消防長ないしそこの指揮隊を助けながら災害を統括していくという、この仕組みが中越地震では本当に機能した。その前の苫小牧の石油タンク火災でもうまくいったと思う。いろいろな実災害と訓練に警察も自衛隊も、そして消防も当然出ていく、そして全国各地で、一緒にやるというような経験をすることで、現場指揮レベルではそれができるのではないか。
 それから、市町村、県レベルであるが、災害現場というのは、一次的には消防本部、消防長が一番初めに現場に行って対応することになっていて、情報も最初のうちは持っている。消防がそこでしっかりと主体性を持って、後、警察と自衛隊に助けてもらう。こういう形でないとなかなかうまくいかないのではないか。ただ、上空からヘリコプターで散水するとか、大規模な山火事ということになってくると、装備力が必要になり、相当自衛隊の判断というのも出てくるのではないか。それは県レベル、さらには国レベルでどういうふうにそういう横断的なものをつくっていくかになる。
 国レベルですと内閣の危機管理室でやっているようであるが、総務省消防庁がいろいろな施策を展開しているので、内閣の中でも総務省を挙げてこのあたりを組み立ててやっていき、国家安全保障の観点からまた自衛隊にもそこで言っていくというようになればと思う。いかにそれぞれの機関の意思疎通とコンセンサスと、そして現場部隊が迅速に齟齬なく動けるかということが主眼ではないかと考える。
 三位一体の改革から補助金がいろいろ削られて税源移譲になるということであるが、捕助がなくなると市町村の対応は大変厳しい状況に置かれてくると思う。消防団の消防ポンプ自動車というのは、市町村によって違うのかもしれないが、18年とか20年で更新するのが適当な年数なのか。交付税についても減らされてくるのではないかという懸念の声もある。財政の弱い自治体は当然そこにしわ寄せが来るということであるから、消防ポンプとか資機材がなかなか思うようにいかないという現状の中で、さらにそれが減ってくるとなれば、どこでどうそういうものが担保されるのか大変心配になってくるというのが現状ではないか。三位一体の改革をすることはやぶさかでないが、交付税とかそういうものが担保され、県ないし消防庁が市町村に対する指導をきちっとやっていかないと、市町村長によってはなかなかそういうことに目を向けない方もいる。そうすると、消防団の活動が非常に停滞する、沈滞するというようなことも考えられる。
 以前に、防災情報の共有化に関する専門調査会の委員をしていたことがあり、省庁が集まっての情報共有化、それから何か起きたときの指揮系統をどうするかというような話し合いをした記憶がある。その話し合い自体はすばらしかったと思うので、その後どうなったのかを次回にでも調べて報告をいただきたい。
 現場レベルでは意思の疎通がすごくよくできるようになっているし、すばらしいと思っている。ただ、それでもなお関係省庁の担当者とか、あるいはこの消防審議会の委員みたいなメンバーが出て話し合うという意思疎通の場をつくった方がいいのではないか。消防庁としてやりますということでいいと思う。組織として、問題点が明らかになるような場というのは必要である。
 補助金がなくなるということなので、自主財源でやらざるを得ない。そうすると、市町村の首長の自覚の問題ないしは市議会の自覚の問題、または消防局がどれだけ予算を強く要求していくかというような、そういう戦いになってしまうと考えるが、やはりそういうものも含めて、抜本的な指針を、全国的な消防団のレベルアップの指針というようなものを検討していただき、交付税の中にまた導入していくとか、そういうことをやっていただければ、我々大都市の側にとっても、交付税の基準が財政当局に対するよりどころにもなっているわけで、ぜひお願いしたい。
 消防団の補助金の関係については三位一体改革で来年度からなくなるが、昨年、国民保護法も成立した、消防団の住民の避難誘導等に対する役割も法律に明記された、災害における役割も増大しているということを踏まえ、今年度から防災基盤整備事業という形で消防団のポンプ車等についての起債の充当率が90%で、交付税の基準財政需要額への算入率が50%という制度を創設した。これも周知をして、財政当局に消防サイドから要求する場合に、こういった財源措置のある制度を今年から創設してあるので、活用していただくようにお願いしているところ。
 補助金がなくなるとなかなか資機材整備が難しいのは、地方団体の予算の編成の仕方が、補助がついていると無条件で予算をつける。単独事業は鉛筆1本まで査定する。そういうことを長年にわたってやってきているからではないか。補助金がついていれば、いい悪い関係なく予算をつける。だから、余計補助金頼りになる。これからは消防の資機材は、次々いろいろなものが出てくるので必ず更新しなければならない。そういうルールをきちっとつくってあげて、決して今のレベルが落ちないようにやっていただきたいと。今は過渡期であり、全国的にいろいろなところへ出かけ、そういうことをどんどん言っていかなければと考える。あとは、一種のスタンダードなり、そういう事例を紹介して、この程度やってくれということを言うのも責任だと考える。
 あと、今の危機管理体制であるが、現在は官邸の地下に、何かあれば閣僚を含めた人たちが全部集まって、各関係省庁にそこから指示を出して、必要な調整を官邸でやるというシステムが一応でき上がっている。これが本当にどの程度しっかり動くかどうかというのは、大きな災害が起こってみないとわからないというところではあるが、かなりシステム的には整備されてきていると思う。我々のところは消防庁の中に危機管理センターがあり、そこに災害対策本部を置いて、官邸と連絡をとりながら必要な措置をしていくという体制をとっている。こちらもかなりよくなってきていると考える。
 あと、現場レベルは、それぞれ現場で調整してもらわなければいけない部分が多いわけであり、事が起こってからというのではなかなか大変であるので、訓練とか図上訓練をやることによって、進化していくと考える。現に原発関係でも、攻撃を受けた場合とか何かあった場合ということでいろいろ図上訓練等もやっているので、完全にこれで安心だというほど立派なレベルにいっているかどうかはわからないが、かなりしっかりやってきているのではないか。しかし、もっと努力しろと言われる部分でもあるので、より努力をするので、御理解いただきたい。
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