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消防防災行政の現状と展望
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CHAPTER 4:救急救助

救える命を救いたい。

119番通報で救急車が到着するまでの所要時間は、約6分。この間に適切な応急手当が行われたら――。あるいは駆けつけた救急救命士が、これまで医療行為とされていた高度な救急処置を施せたら――。病院まで搬送される1分1秒。それは「救える命」を救うためのかけがえのない貴重な時間です。私たちは、救命率向上のための制度の一層の充実や支援を推進しています。

001 生命の明暗を分ける迅速さ。我が国のプレホスピタル・ケアの現状

平成14年中の全国の救急出動件数は、ヘリによるものも含めて約456万件(対前年度比3.6%増)。救急車による1日の救急出動件数は平均で1万2,482件。約6.9秒に1回の割合で救急隊が出動していることになります。搬送された人数も、約433万人となり、国民の29人にひとりが、救急隊によって搬送されたことになります。救急出動件数は今後も増える傾向にあり、通報から病院に着くまでの応急処置が、重度傷病者の命の明暗を分けるといっても過言ではありません。
大切な命を救うための「救命の連鎖」。それは通報から応急処置・搬送そして医療機関へという一連の救急活動を、迅速かつ円滑に行うための制度づくりが基盤となります。消防庁は、この制度づくりを推進するため、医療機関との連携や、救急救命士を含む救急隊員の応急処置の技能向上など、救急業務の高度化を図るメディカルコントロール体制の確立を目指しています。また、高度な応急処置に必要な救急用資機材の計画的な配備も推進しています。

002 救急救命士制度の充実と効果

もし、救急車が移動する総合病院だったとしたら、もっと大勢の人が助かるかもしれない。あるいは、移動病院とはいかないまでも、重度傷病者の心電図やレントゲン写真などのデータを、医師のもとに届けられる機能があったとしたら――。未来社会においては、そんな夢の治療体制が現実のものになるかもしれません。現在の救急業務の課題は、いかに迅速に重度傷病者を医療機関に運ぶかということとともに、プレホスピタル・ケアを充実させることがあげられます。その重度傷病者の搬送中に、高度な救急救命処置を施すことができるのが救急救命士です。その処置範囲を今後さらに拡げることにより、さらに多くの命が救われると推定されています。

現在、全国の約5万8千人の救急隊員のうち約1万3千人が救急救命士の資格を取得しています。平成3年には救急現場と搬送中の応急処置の充実を図るため、救急救命士制度が導入されるとともに、救急隊員が行う応急処置の範囲も拡がりました。これにより心肺停止傷病者の救命と救急業務の高度化に大きな成果が上がりましたが、救急救命士の処置範囲拡大により、さらに大きな成果が期待されます。具体的な取り組みとしては、平成15年4月から、心肺停止傷病者に対して医師の直接的な指示を待つことなく電気ショックが行えるようになったことがあげられます。実施から約1年ですが、現に多くの命が助かっています。また、平成16年7月からは、口から気管にチューブを挿入して酸素を送り込む処置が行えるようになり、平成18年4月を目途に心拍再開に役立つ強心剤も使用可能になる予定です。しかし、救急救命士には医療知識と医療機器を扱うためのノウハウを常に磨き上げていく必要があることはいうまでもありません。


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