[火災予防行政の現況]
1 住宅防火対策の現況
平成20年中の放火を除いた住宅(一般住宅、共同住宅及び併用住宅)火災の件数(1万5,614件)は、建物火災の件数(2万7,011件)の約6割となっている。また、放火自殺者等を除く住宅火災による死者数(1,123人)は、建物火災による死者数(1,268人)の約9割となっており、過去10年間以上この傾向で推移している。 住宅火災による死者数はわずかに減少傾向にあるが、住宅火災による死者の6割以上が65歳以上の高齢者であることを考えると、今後の高齢化の進展とともに、住宅火災による死者が増加するおそれがある。 このため、平成16年6月に住宅に住宅用火災警報器等の住宅用防災機器の設置を義務付けること等を内容とする消防法の改正が行われ、平成18年6月1日施行された。 また、本改正に伴い、消防法施行令の改正(平成16年10月27日)、住宅用防災機器の設置及び維持に関する条例の制定に関する基準を定める省令の制定(平成16年11月26日)、火災予防条例(例)の改正(平成16年12月15日)及び住宅用防災警報器及び住宅用防災報知設備に係る技術上の規格を定める省令の制定(平成17年1月25日)が順次行われた。これにより、新築住宅については平成18年6月1日から、既存住宅については概ね平成20年6月から平成23年6月までの各市町村条例で定める日から住宅用火災警報器の設置が義務付けられる。消防庁では平成20年12月17日に住宅用火災警報器設置推進会議を開催し、同会議において決定された「住宅用火災警報器設置推進基本方針」に基づいた早期普及に係る取組を推進している(P.10トピックスII「住宅用火災警報器の速やかな普及に向けた取組」参照)。 これを受けて全国の消防本部では、消防団、婦人(女性)防火クラブ及び自主防災組織等と連携して、広報等の各種取組を展開しているところである。