平成26年版 消防白書

4.高齢者・障がい者、外国人来訪者等に配慮した防火安全対策

(1) 高齢者や障がい者に適した火災警報装置に関する検討

現行の消防法令では、自動火災報知設備は音により火災の発生を知らせることとしているが、高齢者・障がい者に対して火災発生時の警報が適切に伝わらないことがある。
このため、平成22年度より音以外の警報について検討を始めており、平成24年度には、高齢者や障がい者により適した音以外の方法による火災警報装置の導入を推進することを目的に、「高齢者や障がい者に適した火災警報装置に関する検討部会」を立ち上げ、検討を進めている。平成25年度には、実際の商業施設や空港等をモデル施設として実証実験を行い、光警報装置による火災認知及び避難に関する効果を検証したところであり、今後、光警報装置の設置・維持に関する技術基準の策定を含め、普及方策の検討を行う必要がある。

(2) 防火安全対策ガイドライン

2020年オリンピック・パラリンピック東京大会では、多数の外国人や障がい者が日本を訪れ、駅、空港などのターミナル施設等を利用することから、その防火安全対策には万全を期す必要がある。
このため、国内外における過去の国際大会等の防火安全対策の先進事例等を調査し、ターミナル施設等における外国人来訪者や障がい者等に対応した避難誘導に係るガイドラインの作成・普及など、必要な防火安全対策を検討し、推進する必要がある。

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