平成29年版 消防白書

特集10 全国瞬時警報システム(Jアラート)による情報伝達における課題と対応

1.全国瞬時警報システム(Jアラート)とは

有事の際に住民が適切な避難を速やかに行うためには、住民に正確な情報を迅速に伝達することが重要であることから、消防庁では、地方公共団体と連携して全国瞬時警報システム(以下「Jアラート」という。)の整備を推進している。
Jアラートは、弾道ミサイル攻撃に関する情報や緊急地震速報、津波警報、気象警報などの緊急情報を、人工衛星及び地上回線を通じて全国の都道府県、市町村等に送信し、市町村防災行政無線(同報系)等を自動起動することにより、人手を介さず瞬時に住民等に伝達するシステムである。
なお、弾道ミサイル攻撃に関する情報など国民保護に関する情報は内閣官房から、緊急地震速報、津波警報、気象警報などの防災気象情報は気象庁から発出され、消防庁の送信設備を経由して全国の都道府県、市町村等に送信される仕組みとなっている。
また、現在は、この地方公共団体経由による情報伝達とは別に、国から携帯電話会社に配信したJアラート情報を個々の携帯電話利用者にメール(エリアメール・緊急速報メール)で伝達するルートも整備されている(特集10-1図)。

特集10-1図 Jアラートの概要

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特集10-1図 Jアラートの概要の画像。内閣官房からの武力攻撃情報、及び気象庁からの緊急地震速報・津波情報等は、それぞれ消防庁の送信システムを経由して、地方公共団体に送信される。また、携帯電話会社を経由して携帯電話にも送信される。

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