令和元年版 消防白書

[火災予防行政の課題]

1.住宅防火対策の推進

住宅用火災警報器の未設置世帯に対して早期に設置することを一層促進するとともに、平成28年6月に設置義務化から10年を迎え、既設住宅用火災警報器の機能劣化が懸念されることから、老朽化した住宅用火災警報器の交換などの適切な維持管理を促進することが重要であり、交換の際には、連動型住宅用火災警報器、火災以外の異常を感知して警報する機能を併せもつ住宅用火災警報器、音や光を発する補助警報装置を併設した住宅用火災警報器など付加的な機能も併せ持つ機器などへの交換を促す必要がある。
また、住宅火災において、寝具類や衣類が着火物となって多くの死者が発生していることから、防炎品の普及を推進することが重要である。
このため、消防本部、消防団、女性(婦人)防火クラブ、自主防災組織等と協力して、火災予防運動、住宅防火防災推進シンポジウム、住宅防火・防災キャンペーン等を通じた住宅防火対策の普及啓発等を更に推進していく必要がある。

関連リンク

令和元年版 消防白書(PDF版)
令和元年版 消防白書(PDF版) 令和元年版 消防白書 (一式)  令和元年版 消防白書 (概要版)  はじめに  特集1 最近の大規模自然災害への対応及び消防防災体制の整備  特集2 G20大阪サミット及びラグビーワールドカップ2019における消防特別警戒等...
はじめに
はじめに 昨年は、令和元年8月の前線に伴う大雨や、台風第15号、台風第19号等の幾多の自然災害に見舞われ、また、7月には京都市伏見区で爆発火災が、10月には那覇市で首里城火災が発生するなど、多くの人的・物的被害が生じました。 振り返れば、平成は、阪神淡路大震災(平成7年)や東日本大震災(平成23年)...
1.令和元年8月の前線に伴う大雨の被害と対応
特集1 最近の大規模自然災害への対応及び消防防災体制の整備 1.令和元年8月の前線に伴う大雨の被害と対応 (1)災害の概要 ア 気象の状況 令和元年8月26日に華中から九州南部を通って日本の南にのびていた前線は、27日に北上し、29日にかけて対馬海峡付近から東日本に停滞した。また、この前線に向かっ...
2.台風第15号に伴う被害と対応
2.台風第15号に伴う被害と対応 (1)災害の概要 ア 気象の状況 令和元年9月5日3時に南鳥島近海で発生した台風第15号は、発達しながら小笠原諸島を北西に進み、非常に強い勢力となって伊豆諸島南部へと進んだ。 台風は、強い勢力を保ったまま、同月9日3時前に三浦半島付近を通過し、5時前に千葉市付近に上...