令和元年版 消防白書

2.平成31年1月から令和元年10月までの主な地震災害

平成31年1月から令和元年10月までの主な地震災害については、第1-6-3表のとおりである。

第1-6-3表 平成31年1月から令和元年10月までの主な地震災害(消防庁が災害応急体制を整備したもの)

(令和元年12月5日現在)

第1-6-3表 平成30年1月から10月までの主な地震災害(消防庁が災害応急体制を整備したもの)

(備考)「消防庁とりまとめ報」により作成

(1)熊本県熊本地方を震源とする地震による被害等の状況

1月3日18時10分に熊本県熊本地方を震源とするマグニチュード5.1の地震が発生し、熊本県和水町において、最大震度6弱が観測された。
なお、この地震による津波は観測されなかった。
消防庁では、地震発生後直ちに消防庁長官を長とする消防庁災害対策本部を設置(第3次応急体制)し、震度6弱を観測した熊本県に対し、適切な対応と迅速な被害報告について要請するとともに、震度5弱以上を観測した消防本部及び市町村に直接問い合わせ、被害状況の把握に努めた。
なお、この地震により、重傷者1人及び軽傷者3人の人的被害のほか、一部破損60棟の住家被害が発生した。

(2)熊本県熊本地方を震源とする地震による被害等の状況

1月26日14時16分に熊本県熊本地方を震源とするマグニチュード4.3の地震が発生し、熊本県和水町において、最大震度5弱が観測された。
なお、この地震による津波は観測されなかった。
消防庁では、地震発生後直ちに応急対策室長を長とする消防庁災害対策室を設置(第1次応急体制)し、震度5弱を観測した熊本県に対し、適切な対応と迅速な被害報告について要請するとともに、震度5弱を観測した有明広域行政事務組合消防本部及び和水町に直接問い合わせ、被害状況の把握に努めた。
なお、この地震による人的被害及び住家被害はなかった。

(3)北海道胆振地方中東部を震源とする地震による被害等の状況

2月21日21時22分に胆振地方中東部を震源とするマグニチュード5.8の地震が発生し、北海道厚真町において、最大震度6弱が観測された。
なお、この地震による津波は観測されなかった。
消防庁では、地震発生後直ちに消防庁長官を長とする消防庁災害対策本部を設置(第3次応急体制)し、震度6弱を観測した北海道に対し、適切な対応と迅速な被害報告について要請するとともに、震度5弱以上を観測した消防本部及び市町村に直接問い合わせ、被害状況の把握に努めた。
なお、この地震により、軽傷者6人の人的被害のほか、一部破損19棟の住家被害が発生した。

(4)日向灘を震源とする地震による被害等の状況

5月10日8時48分に日向灘を震源とするマグニチュード6.3の地震が発生し、宮崎県宮崎市及び都城市において、最大震度5弱が観測された。
なお、この地震による津波は観測されなかった。
消防庁では、地震発生後直ちに応急対策室長を長とする消防庁災害対策室を設置(第1次応急体制)し、震度5弱を観測した宮崎県に対し、適切な対応と迅速な被害報告について要請するとともに、震度5弱を観測した消防本部及び市町村に直接問い合わせ、被害状況の把握に努めた。
なお、この地震による住家被害はなかったが、軽傷者2人の人的被害が発生した。

(5)千葉県北東部を震源とする地震による被害等の状況

5月25日15時20分に千葉県北東部を震源とするマグニチュード5.1の地震が発生し、千葉県長南町において、最大震度5弱が観測された。
なお、この地震による津波は観測されなかった。
消防庁では、地震発生後直ちに応急対策室長を長とする消防庁災害対策室を設置(第1次応急体制)し、震度5弱を観測した千葉県に対し、適切な対応と迅速な被害報告について要請するとともに、震度5弱を観測した長生郡市広域市町村圏組合消防本部及び長南町に直接問い合わせ、被害状況の把握に努めた。
なお、この地震による住家被害はなかったが、軽傷者1人の人的被害が発生した。

(6)山形県沖を震源とする地震による被害等の状況

6月18日22時22分に山形県沖を震源とするマグニチュード6.7の地震が発生し、新潟県村上市において、最大震度6強が観測された。
気象庁は、地震発生から2分後の22時24分、山形県、新潟県上中下越、佐渡及び石川県能登に津波注意報を発表した。
消防庁では、地震発生後直ちに消防庁長官を長とする消防庁災害対策本部を設置(第3次応急体制)し、震度5弱以上を観測した秋田県、山形県及び新潟県に対し、適切な対応と迅速な被害報告について要請するとともに、震度5弱以上を観測した消防本部及び市町村に直接問い合わせ、被害状況の把握に努めた。
なお、津波注意報は、同月19日1時02分に解除された。
この地震により、重傷者9人及び軽傷者34人の人的被害のほか、半壊35棟及び一部破損1,615棟の住家被害が発生した。

(7)福島県沖を震源とする地震による被害等の状況

8月4日19時23分に福島県沖を震源とするマグニチュード6.4の地震が発生し、宮城県石巻市、亘理町及び福島県双葉町において、最大震度5弱が観測された。
なお、この地震による津波は観測されなかった。
消防庁では、地震発生後直ちに応急対策室長を長とする消防庁災害対策室を設置(第1次応急体制)し、震度5弱を観測した宮城県及び福島県に対し、適切な対応と迅速な被害報告について要請するとともに、震度5弱を観測した消防本部及び市町村に直接問い合わせ、被害状況の把握に努めた。
なお、この地震による住家被害はなかったが、軽傷者1人の人的被害が発生した。
気象庁は、この地震は「平成23年(2011年)東北地方太平洋沖地震」の余震と考えられる旨発表した。

関連リンク

令和元年版 消防白書(PDF版)
令和元年版 消防白書(PDF版) 令和元年版 消防白書 (一式)  令和元年版 消防白書 (概要版)  はじめに  特集1 最近の大規模自然災害への対応及び消防防災体制の整備  特集2 G20大阪サミット及びラグビーワールドカップ2019における消防特別警戒等...
はじめに
はじめに 昨年は、令和元年8月の前線に伴う大雨や、台風第15号、台風第19号等の幾多の自然災害に見舞われ、また、7月には京都市伏見区で爆発火災が、10月には那覇市で首里城火災が発生するなど、多くの人的・物的被害が生じました。 振り返れば、平成は、阪神淡路大震災(平成7年)や東日本大震災(平成23年)...
1.令和元年8月の前線に伴う大雨の被害と対応
特集1 最近の大規模自然災害への対応及び消防防災体制の整備 1.令和元年8月の前線に伴う大雨の被害と対応 (1)災害の概要 ア 気象の状況 令和元年8月26日に華中から九州南部を通って日本の南にのびていた前線は、27日に北上し、29日にかけて対馬海峡付近から東日本に停滞した。また、この前線に向かっ...
2.台風第15号に伴う被害と対応
2.台風第15号に伴う被害と対応 (1)災害の概要 ア 気象の状況 令和元年9月5日3時に南鳥島近海で発生した台風第15号は、発達しながら小笠原諸島を北西に進み、非常に強い勢力となって伊豆諸島南部へと進んだ。 台風は、強い勢力を保ったまま、同月9日3時前に三浦半島付近を通過し、5時前に千葉市付近に上...