1.サミット開催までの取組
平成30年4月10日の閣議了解により、大阪市でのサミット開催が決定された後、サミットの開催準備に関し、政府全体の総合調整を行い、その開催の円滑な実施を図るため、内閣官房副長官を議長とする「G20大阪サミット準備会議」が開催され、消防庁次長が構成員として参画した。
また、準備会議の下に、「G20大阪サミット準備会議幹事会」及び「G20大阪サミット準備会議セキュリティ・ワーキンググループ」が設置され、消防庁消防・救急課長がそれらの構成員として参画した。これらの会議において、関係府省庁のサミットへ向けた取組状況を共有するとともに、サミットにおける消防・救急体制の構築を含むセキュリティ基本方針の決定等がなされた。
一方、サミット期間中における警防計画(火災、救急、救助活動に係る計画)や予防計画(事前査察、訓練指導、期間中の予防警戒活動に係る計画)等、具体的な消防特別警戒体制を検討するため、平成30年9月25日、消防庁次長を委員長とし、開催地消防本部をはじめとした関係消防本部、大阪府、全国消防長会及び消防庁により構成する「G20大阪サミット消防・救急対策委員会」を設置するとともに、警防・予防対策をそれぞれ専門的に検討するための警防・予防部会を設置し、サミットに向けた検討体制を整えた。
これら委員会等における審議を経て、出場計画やNBC災害等消防活動要領等を含む警防計画及び関連施設に対する立入検査や巡回警戒等を含む予防計画を策定するとともに、NBC災害発生を想定した合同訓練・現地視察や、関連施設に対する立入検査・自衛消防訓練指導等を実施した。
また、平成31年3月13日には、関係消防本部61本部による「G20大阪サミット消防・救急体制整備に関する応援協定」が締結された。
消防特別警戒の実施に先立ち、サミット警戒に携わる消防職員に対し、任務を伝達し、士気高揚を図るため、令和元年6月24日、大阪府咲洲庁舎に消防職員約300人が集結し、任務伝達式が行われた。式の中では、消防庁長官をはじめ、大阪府知事、大阪市長、全国消防長会会長が激励を行った。