審議会

消防審議会議事要旨

  1. 日時
    平成19年7月30日(月)13:00~15:00
  2. 場所
    虎ノ門パストラル新館5階「ミモザ」
  3. 出席者
    委員
    秋本委員、上田委員、大河内委員、小川委員、小林委員、善養寺委員、髙梨委員、桝本委員、吉井委員
    消防庁
    消防庁長官以下19名
    幹事
    長野市消防局長、名古屋市消防局長、関係省庁
  4. 次第
    • (1) 開会
    • (2) 委員の紹介
    • (3) 長官挨拶
    • (4) 消防庁幹部の紹介
    • (5) 会長及び会長代理の選出
    • (6) 議事
      (1)報告事項
      • ・市町村消防の広域化の推進について
      • ・消防団の充実方策について
      • ・大規模建築物等における地震災害に対応した自衛消防力の確保のための消防法の改正について
      • ・危険物施設の安全対策について
      • ・渋谷区温泉施設爆発火災への対応について
      • ・新潟県中越沖地震の被害状況と対応について
    • (7) その他
    • (8) 閉会
  5. 会議経過

    事務局から報告事項の説明の後、質疑応答及び意見交換が行われた。主なものについては、次のとおり。

    • ○消防広域化のメリットに「特殊車両の重複投資の回避による経費の削減」とあるが、消防防災ヘリについては機材が高価であったり、不要な装備品まで装備されているなどうまく機能していないように思える。
      →ここでの特殊車両は、はしご車や救助工作車を言っている。広域化することでこれらの車両を整備できる。ヘリについては、基本的に都道府県や政令市が保有している。また、広域共同運用のための機材という形で法制度化も行ってきた。運用についてもルール化を図っている。
    • ○ヘリの運用については以前と変わっていないという声がある。機材や装備品が増えているが、例えばブロックごとにこれら機材を共有し合えばよい。
      →ヘリの活動については多岐にわたる。指摘があったように資機材も様々な場合に備え装備している。今後はより効率的にヘリの運用を行っていかなければいけない。
      →このヘリの問題は重要である。資料を十分にそろえて、この10年間でどのように進歩したか、課題は何か等、議論する必要がある。
    • ○3月から4月に消防団員の退団が多いのはなぜか。
      →人が入れ替わる時期であり、例えば定年を向かえた方や年齢の若い方でも仕事との両立が難しくなり退団される方もいる。そういった方々でも参加できるように機能別の団員、分団制度、また協力事業所表示制度を進めている。しかし、現実は少子高齢化の中で、団員確保は厳しい状況である。
    • ○若者などに対して消防団への入団に関する意識調査をしてはどうか。災害の際のボランティア活動への意識は高まっている。資格制度を設けるなどの手法を考えてみてはどうか。
      →過去に意識調査を行った。結果として、消防団は特別職の公務員であり、訓練も行うため大変だというイメージがある。また、仕事上で自由な時間がもてない、消防団の実態が分からない等の意見があった。したがって、消防団という役割を知ってもらうための取組等を進めていく必要があると考えている。
    • ○従来、消防団の業務といえば消火作業が主であったが、今ではいろいろな災害に対応しなければならない。しかし、それに伴う資機材が乏しい状況である。
    • ○市町村の職員が消防団員になることについてどうか。
      →市町村の職員の方には是非、消防団員になってもらいたい。全国的に6万5千人ぐらいの方が地方公務員で消防団員である。また、その他の公的機関についても消防団に参加いただくよう要請をしている。
    • ○消防団の事業所という話があったが、これは社員が消防団に参加しているということなのか。それとも、企業の中に消防団があるのか。また、消防団員に対する社会的認知度が明確にわかるような制度をつくるべきである。
      →協力事業所のイメージであるが、要綱案的なものをつくっている。1つは消防団の方を多く雇用されている事業所ということ。また、消防団活動の際の職務の免除、あるいは資機材の提供など明確に記載いただいている事業所というイメージが協力事業所の姿である。事業所内の組織が消防団の分団になっているものもある。
       さらに化学事故等の場合、その専門の方々が専門の部分を活かした形での消防団も機能別分団として提唱している。
    • ○大規模建築物等における地震災害に対応した自衛消防組織の設置基準であるが、公共施設と同等の耐震性能を有する建築物とそうでない建築物と同等の基準ではなく、区別するべきである。高い耐震性能を有する建築物にはインセンティブを持たせた方がよい。
      →自衛消防組織の設置対象物の数は今4千から5千と想定している。対象物の管理者に対して被害想定をお願いして、それに基づいて自衛消防組織は適切か評価してもらうという仕組みでガイドラインを作っている。
    • ○中越沖地震の際、柏崎刈羽原発での火災で自衛消防組織が不在という問題が出たが、消防庁としてどう考えているのか。
      →消防庁でも今後、検討していく。また、経済産業省や電気事業者に対して自衛消防力の確保についての取組を促している。また、今回改正された消防法の中に原発の自衛消防力の強化も含めて検討していく。
    • ○新潟県中越沖地震の際、柏崎刈羽原発に対して操業停止命令も危険物施設と関係しているのか
      →消防法第12条の3に基づいた危険物施設の使用禁止が出されている。
    • ○渋谷区の温泉施設の爆発事故であるが、東京都としても環境局が中心となり検討を行っている。原因については、まだ特定できていない。警視庁とも連携しながら調査を進めている。
    • ○新潟県中越沖地震に関して市役所や県の対応について消防庁は把握しているのか。
      →把握しているが、報告書の中には記載していない。
    • ○阪神大震災や関東大震災では火災による被害が多かったが、最近は比較的少なくなったのはなぜか。やはり、防火思想が普及し、消防設備の性能が良くなったからか。
      →震度6強の地域の世帯数が1万世帯数当たり、大体2件から3件の火災が起きる。これは関東大震災のときも阪神大震災のときも同じである。今回の柏崎はもともと世帯数が少ないこところなので火災件数はどうしても少なくなる。
      阪神大震災以降、防火意識は高まってきている。設備もよくなっている。火災は起きるが大きな火災にはならないと理解できる。
    • ○中越沖地震でのヘリの動向記録を見ると、よく飛んでいる感じがする。災害地域上空でのヘリの動向を政府は把握していたのか。航空管制はどこがどのように行ったのか。
      また、現地においては司令塔のシステムが機能していないように思える。やはりトータルの中で消防ヘリ、消防部隊の動きを把握しておかなければ、次の教訓にならない。
      →新潟中越沖地震におけるヘリの活動であるが、総括すればスムーズに行われたと感じる。
      また、自衛隊や警察等の調整について、緊急消防援助隊が活動する場合、県庁に調整本部をつくって対応するが、大体の調整は行えたと思う。
    • ○前回の中越地震のときも、現地での司令塔が機能していない。食料や水をどこの避難所に持って行くかなど、調整がとれていない。道具がたくさんあるこの日本でなぜ動かないのか。
    • ○消防団員数の確保は喫緊の課題である。社会構造の変化や少子化等により団員の確保は厳しい状態である。京都市では学校教育の充実を重要施策に位置づけており、様々な分野についての社会活動を推進している。こうした貴重な体験をした若者が将来、防災の担い手や消防団員になることが期待できる。防災活動についても消防団活動を紹介したり、放水訓練を体験するなどの取組を行っている。
    • ○これからの消防審議会での議論について、自治体消防が戦後60年経った今、総合的な対策について考えるべきではないのか。様々な機関が個々に活動するということではなく、連携してやっていくことが大事。一般住民も含めた総合的な消防防災力をつくっていくことについて小委員会を設けて議論してみてはどうか。
    • ○地域総合防災力について、長期的な視点から検討する小委員会をつくってはいかがという御提案があったがいかがか。
      →異議なし。
    • ○小委員会の委員長は秋本委員にお願いしてはどうか。
      →異議なし。
    • ○次回の消防審議会の日程については秋頃の開催になると思う。以上。