対象火気設備等及び対象火気器具等の離隔距離に関する基準
〔平成一四年三月六日消防庁告示第一号〕
施行 平一五・一・一
対象火気設備等の位置、構造及び管理並びに対象火気器具等の取扱いに関する条例の制定に関する基準を定める省令(平成十四年総務省令第二十四号)第五条及び第二十条の規定に基づき、対象火気設備等及び対象火気器具等の離隔距離に関する基準を次のとおり定める。
対象火気設備等及び対象火気器具等の離隔距離に関する基準
第一 趣旨
この告示は、対象火気設備等の位置、構造及び管理並びに対象火気器具等の取扱いに関する条例の制定に関する基準を定める省令第五条及び第二十条の規定に基づき、対象火気設備等及び対象火気器具等(以下「対象火気設備、器具等」という。)の離隔距離に関する基準を定めるものとする。
第二 用語の定義
この告示において、次の各号に掲げる用語の意義は、それぞれ当該各号に定めるところによる。
一 離隔距離 対象火気設備、器具等の設置の際に、当該対象火気設備、器具等と建築物その他の土地に定着する工作物及び可燃物との間に保つべき火災予防上安全な距離をいう。
二 安全装置 対象火気設備、器具等に設けられるその安全を確保する装置であって、対象火気設備、器具等が故障等により異常となった際に、自動的に燃焼部への燃料又は発熱部への電力の供給を遮断し、かつ、当該供給を自動的に再開しない装置又はシステムをいう。
三 定常状態 測定する位置における温度上昇が三十分間につき〇・五度以下になった状態をいう。
四 通常燃焼 気体燃料、液体燃料又は固体燃料を使用する対象火気設備、器具等にあっては通常想定される使用における最大の燃焼となる状態を、電気を熱源とする対象火気設備、器具等にあっては通常想定される使用における最大の発熱となる運転をいう。
五 異常燃焼 気体燃料、液体燃料又は固体燃料を使用する対象火気設備、器具等にあっては温度制御装置等が異常となった場合において最大の燃焼となる状態を、電気を熱源とする対象火気設備、器具等にあっては温度制御装置等が異常となった場合において最大の発熱となる運転をいう。
六 試験周囲温度 対象火気設備、器具等の試験を行う場合の当該対象火気設備、器具等の周囲の温度のことをいう。
七 許容最高温度 通常燃焼の場合又は異常燃焼で安全装置を有しない場合にあっては一〇〇度を、異常燃焼で安全装置を有する場合にあっては次の表の上欄に掲げる対象火気設備、器具等の種別に応じそれぞれ同表の下欄に定める温度をいう。
対象火気設備、器具等の種別 | 温度 |
---|---|
気体燃料を使用するもの | 百三十五度 |
液体燃料を使用するもの | 百三十五度 |
電気を熱源とするもの | 百五十度 |
第三 離隔距離の決定
対象火気設備、器具等の離隔距離は、次の各号に定める距離のうち、いずれか長い距離とする。
一 通常燃焼時において、近接する可燃物の表面の温度上昇が定常状態に達したときに、当該可燃物の表面温度が許容最高温度を超えない距離又は当該可燃物に引火しない距離のうちいずれか長い距離
二 異常燃焼時において、対象火気設備、器具等の安全装置が作動するまで燃焼が継続したときに、近接する可燃物の表面温度が許容最高温度を超えない距離又は当該可燃物に引火しない距離のうちいずれか長い距離。ただし、対象火気設備、器具等が安全装置を有しない場合にあっては、近接する可燃物の表面の温度上昇が定常状態に達したときに、当該可燃物の表面温度が許容最高温度を超えない距離又は当該可燃物に引火しない距離のうちいずれか長い距離
第四 運用上の注意
一 基準周囲温度は、三十五度とする。
二 試験周囲温度が基準周囲温度未満の場合においては、許容最高温度と基準周囲温度の差を試験周囲温度に加えた温度により、試験を行うものとする。
三 異常燃焼時において、複数の温度制御装置等を有する対象火気設備、器具等については、そのうち一の温度制御装置等のみを無効とした状態でそれぞれ試験を行い、それらの場合に判定される距離のうちいずれか長いものにより離隔距離を判定する。
四 異常燃焼時において、複数の安全装置を有する対象火気設備、器具等については、そのうち一の安全装置を有効とした状態でそれぞれ試験を行い、それらの場合に判定される距離のうちいずれか長いものにより離隔距離を判定する。ただし、対象火気設備、器具等が確実に作動する安全装置を有する場合にあっては、当該安全装置を有効とした状態で試験を行う場合に判定される距離により離隔距離を判定することができる。
附則
この告示は、対象火気設備等の位置、構造及び管理並びに対象火気器具等の取扱いに関する条例の施行に関する基準を定める省令の施行日(平成十五年一月一日)から施行する。