通知・通達

消防危第98号 都市ガス・液化石油ガス及び毒劇物等による事故状況について

消防危第98号
平成14年7月4日
各都道府県消防主管部長 殿


消防庁危険物保安室長

都市ガス・液化石油ガス及び毒劇物等による事故状況について


  都市ガス・液化石油ガス及び毒劇物等による事故(以下「ガス事故等」という。)の防止については、日頃から御配慮願っているところですが、この度、例年調査をお願いしている標記について、平成13年中の調査結果を別添資料のとおり取りまとめたので送付します。
 本調査によるガス事故等の状況を十分に考慮し、今後ともガス事故等の防止に御配慮願います。
 なお、貴都道府県内の市町村に対してもこの旨連絡されるようお願いします。





資料



都市ガス・液化石油ガス及び毒劇物
による事故に関する統計表





平成14年7月
消防庁危険物保安室







<目次>

平成13年中の都市ガス及び液化石油ガスによる事故の概要

平成13年中の毒劇物等による事故の概要

別表1ガス事故件数及び死傷者数(全国)
別表2ガス事故発生場所別被害状況調(全国)
別表3消費先におけるガス事故発生原因別件数(全国)
別表3-2ガス器具の欠陥による消費先におけるガス事故の概要
別表4死者の発生した主なガス事故の概要
別表5消防機関に届出を要する物質(圧縮アセチレンガス等)に係る火災状況
別表6平成13年中の毒劇物等の事故状況(PDF)






平成13年中の都市ガス及び液化石油ガスによる事故の概要

 事故の発生状況
(1)  事故の発生件数
発生件数は前年に比べ減少
 平成13年中に発生した都市ガス及び液化石油ガスによる事故(以下「ガス事故」という。)で消防機関が出場した件数は第1表のとおりである。
 ガス事故の総件数は1,471件で、前年の事故件数と比べ48件(3.2%)の減少となっている。
 ガスの種別ごとの事故件数をみると、都市ガスに係るものが885件で前年に比べ61件(6.4%)の減少、液化石油ガスに係るものが586件で前年に比べ13件(2.3%)の増加となっている。
 また、平成9年からの発生件数の推移は、第1図のとおりである。

平成13年中のガス事故発生件数の表




平成9年からの発生件数の推移のグラフ



漏えい事故は、約8割
 ガス事故を態様別にみると第2図のとおりであり、漏えい事故が1,240件(84.3%)、爆発・火災事故が231件(15.7%)である。
 ガスの種別ごとにみると、都市ガスの事故は885件で、そのうち漏えい事故が811件(91.6%)、爆発・火災事故が74件(8.4%)である。また、液化石油ガスの事故は586件で、そのうち漏えい事故が429件(73.2%)、爆発・火災事故が157件(26.8%)である。
 平成9年からの態様別の発生状況を見ると第2表のとおりである。ガス事故全体に占める漏えい事故は約8割で、残りの約2割が爆発・火災事故であり、過去5年間ほぼ同様の傾向を示している。
 ガスの種別ごとにみると、都市ガスでは漏えい事故が約9割を占めているのに対し、液化石油ガスでは漏えい事故が約7割で、残りの約3割が爆発・火災事故である。

ガス事故の態様別発生件数のグラフ




態様別の発生状況の推移の表


(2)  事故の発生場所別件数
ガス事故の約7割が消費先で発生し、そのうちの約7割は住宅で発生
 ガス事故を発生場所別にみると第3図のとおりである。消費先におけるものが1,112件(75.6%)、ガス導管におけるものが330件(22.4%)となっている。
 ガスの種別ごとにみると、都市ガスでは消費先におけるものが602件(68.0%)、ガス導管におけるものが282件(31.9%)であるのに対し、液化石油ガスでは消費先におけるものが510件(87.0%)、ガス導管におけるものが48件(8.2%)、容器による運搬中のものが23件(4.0%)である。
 また、消費先における事故1,112件の内、806件(72.5%)は住宅において発生している。

ガス事故の発生場所別件数のグラフ


(3)  消費先における事故の発生原因別件数
消費者に係る原因が約5割
 消費先におけるガス事故の発生原因は第4図のとおりで、消費者に係るものが581件(52.2%)を占めている。ガスの種別ごとにみると、発生原因は、消費者に係るものが都市ガスでは602件中334件(55.5%)、液化石油ガスでは510件中247件(48.4%)となっている。

消費先におけるガス事故の発生原因別件数のグラフ


依然多い消費者の不注意による事故
 平成9年からの消費先における発生原因別の発生状況は、第3表のとおりである。平成13年は前年と比べると総件数は11件の増加となっており、平成10年から4年連続の増加となっている。
 消費者に係る原因のうち不注意によるものの占める割合は依然高く、平成13年では消費先における事故全体としてみても45.4%を占めている。

消費先における発生原因別発生状況の推移の表


 ガス事故による死傷者
 死者、負傷者ともに減少
 平成13年中に発生したガス事故による死傷者数は、第4表のとおりである。
 ガス事故による死者は18人で前年に比べ1人(5.3%)の減少、負傷者は239人で前年に比べ24人(9.1%)の減少となっている。
 ガスの種別ごとにみると、死者は、都市ガスによるものが8人で前年に比べ3人(27.3%)の減少、液化石油ガスによるものが10人で前年に比べ2人(25.0%)の増加となっている。負傷者は、都市ガスによるものが83人で前年に比べ19人(18.6%)の減少、液化石油ガスによるものが156人で前年に比べ5人(3.1%)の減少となっている。

平成13年中のガス事故による死傷者数の表


 平成9年からの死傷者数の推移は第5図のとおりである。
 全体として死者数は横ばい状態であるが、負傷者数は減少傾向にあり、平成9年と比べると85人(26.2%)の減少となっている。


平成9年からの死傷者数の推移のグラフ


 死傷者数を態様別にみると第6図のとおりである。死者数では、漏えい事故によるものが18人中12人(66.7%)、爆発・火災事故によるものが6人(33.3%)となっている。また、負傷者数では漏えい事故によるものが239人中87人(36.4%)、爆発・火災事故によるものが152人(63.6%)となっている。


ガス事故による死傷者数のグラフ


 自損行為によるガス事故
 死者の72%は自損行為
 ガス事故のうち、自損行為に起因する事故は第7図のとおりである。件数は75件で、これらの事故による死者は13人、負傷者は56人で、ガス事故全体に占める自損行為に係る事故の割合は5.1%、また、死者数及び負傷者数に占める割合はそれぞれ72.2%、23.4%である。

ガス事故のうち自損行為に起因する件数及び死傷者数のグラフ


 
 まとめ
 平成9年からのガス事故の総件数は、平成10年から増加していたものの、平成13年には減少に転じた。
 ガス事故の約8割は漏えい事故で、残りの約2割が爆発・火災事故である。これは、過去5年間同様の傾向を示している。また、ガス事故の約7割は消費先において発生しており、そのうちの約5割は消費者に係る原因によるものである。
 死傷者については、過去5年間をみると死者数は横ばい状態であるが、負傷者数は減少傾向にある。なお、死者のうち約7割は自損行為によるものである。



平成13年中の毒劇物等による事故の概要

 毒劇物等による事故の発生状況
(1)  事故の発生件数
 平成13年中に発生した毒劇物等(毒物及び劇物取締法第2条に規定されている物質並びに一般高圧ガス保安規則第2条に定める毒性ガス)による事故で消防機関が出場した件数は第5表のとおりである。
 事故件数は68件で、前年に比べ7件(11.5%)の増加となっている。また死者は3人で前年に比べ7人(70.0%)の減少、負傷者は101人で前年に比べ59人(36.9%)の減少となっている。

平成13年中の毒劇物等による事故発生件数の表


(2)  毒劇物等による事故の内訳
 平成13年中の毒劇物等による事故の内訳をみると、第8図のとおりである。 塩化水素8件(11.8%)、アンモニアが7件(10.3%)、クロルピクリンが7件(10.3%)、硫酸が6件(8.8%)、水酸化ナトリウムが6件(8.8%)、硝酸が6件(8.8%)、塩素が5件(7.4%)となっている。

毒劇物等による事故の内訳のグラフ


 圧縮アセチレンガス等貯蔵取扱いについて消防機関に届出を要する物質に係る火災の状況
(1)  火災の発生件数
 発生件数は前年に比べ増加
 平成13年中に発生した圧縮アセチレン等貯蔵取扱いについて消防機関に届出を要する物質(以下「圧縮アセチレンガス等届出物質」という。)に係る火災の発生件数は第6表のとおりである。
 火災の発生件数は93件で、前年に比べ18件(16.2%)の減少となっている。また、死者は3名で、前年に比べ1人(50.0%)の増加、負傷者は49人で前年に比べ1人(2.1%)の増加となっている。

平成13年中の圧縮アセチレンガス等届出物質による火災件数の表


(2)  圧縮アセチレンガス等届出物質に係る火災の内訳
 平成13年中の圧縮アセチレンガス等届出物質に係る火災の内訳をみると、第9図のとおりである。液化石油ガスに係る火災が35件(37.6%)、圧縮アセチレンガスに係る火災が55件(59.1%)、生石灰に係る火災が1件(1.1%)、毒物に係る火災が2件(2.2%)、劇物に係る火災が0件(0.0%)となっている。

圧縮アセチレンガス等届出物質に係る火災の内訳のグラフ







別表1
ガス事故件数及び死傷者数(全国)
(平成13年1月1日~12月31日)


ガス事故件数及び死傷者数(全国)の図


注)この表は都市ガス及び液化石油ガスに係る爆発・火災事故及び漏えい事故(以下「ガス事故」という。)の件数及び死傷者数について調査したもので、その記載は次によった。
 1 ガス事故の態様の別は以下による。
(1)  爆発・火災事故:都市ガス又は液化石油ガスが着火物となって生じた爆発・火災をいう。
 なお、爆発のみで留まったものについては該当欄に再掲した。
(2)  漏えい事故:人的損害を生じ、又はそのまま放置すれば爆発・火災若しくは人的損害を生じるおそれがある都市ガス又は液化石油ガスの漏えいであって、消防機関が出場したもののうち、(1)に該当しないものをいう。
 2 都市ガスとはガス事業法第3条又は第37条の2の許可を受けたガス事業者によって供給されるガスをいい、簡易ガスとはガス事業法第37条の2の許可を受けたガス事業者によって供給されるガスをいう。
 3 自損行為に起因する事故については各欄の( )内にその数を再掲した。





別表2
ガス事故発生場所別被害状況調(全国)
(平成13年1月1日~12月31日)


ガス事故発生場所別被害状況調(全国)の図


注)この表は、ガス事故の発生場所別の被害状況を調査したもので、その記載については、別表1の注1及び注2によるほか、次によった。
 1 ガス製造施設の欄には、ガス事業者の敷地内にある施設又は液化石油ガスの製造業者若しくは販売業者の敷地内にある施設における事故について記載した。
 2 ガス導管の欄には、都市ガスにおけるガス導管又は液化石油ガスにおける供給管(道路等第三者の敷地内に設置されているもののみ。)のうち消費先の建物内を除く部分で発生した事故について記載した。
 3 容器による運搬の欄には、液化石油ガスを容器により運搬中に発生した事故について記載した。
 4 消費先の欄には、都市ガスにあっては消費先の建物内のガス導管からガス器具までの部分、液化石油ガスにあっては、消費先のガスボンベからガス器具までの部分(道路等第三者の敷地内に設置されている供給管の部分を除く。)において発生した事故について、それぞれ該当する区分の欄に記載した。
 5 表中各欄の( )内には、爆発・火災に係る被害について再掲した。





別表3
消費先におけるガス事故発生原因別件数(全国)
(平成13年1月1日~12月31日)


消費先におけるガス事故発生原因別件数(全国)の図


注)この表は、消費先(別表2の注4による)におけるガス事故の主要原因と考えられるものについて、その件数を調査したもので、記載にあたっては、別表1の注1及び注2によるほか次によった。
 1 原因が重複して考えられるものは主たるものについてのみ計上した。
 2 表中各欄の( )内には、爆発・火災による件数を再掲した。




別表3-2

ガス器具の欠陥による消費先におけるガス事故の概要
(平成13年1月1日~12月31日)


ガス器具の欠陥による消費先におけるガス事故の概要の図







別表4
死者の発生した主なガス事故の概要
(平成13年1月1日~12月31日)


 死者の発生した主なガス事故の概要の図







別表5
消防機関に届出を要する物質(圧縮アセチレンガス等)に係る火災状況
(平成13年1月1日~12月31日)


消防機関に届出を要する物質(圧縮アセチレンガス等)に係る火災状況の図


注)この表は、消防法第9条の2の規定により、貯蔵又は取扱いに際して、あらかじめ消防長又は消防署長に届け出ることを要する物質(消防法第9条の2ただし書きの物質も含む。)に係る火災(爆発のみに留まったものを含む。)について調査したもので、その記載については次によった。
 1 自損行為に起因するものを含めた。
 2 死者及び負傷者のうち、消防職員及び消防団員については、消防活動従事者の欄に再掲した。



別表6   平成13年中の毒劇物等の事故状況(PDF)