10.乳児に対する救命処置

 救命処置は、小児に対しても成人との違いをできるだけ気にせずできるよう工夫されています。しかし1歳未満の乳児は、体の大きさが違うなどの理由からさらに適した方法があります。その方法は次のとおりです。

(1)反応を確認する
 周囲の安全確認の後、傷病者に「大丈夫ですか?」「わかりますか?」など呼びかけを行い反応を見ます。乳児の場合は肩や足の裏を叩き刺激を与えて反応を見ます。

(2)助けを呼ぶ
 反応がなければ、協力者を求め、119番通報とAEDの手配をお願いします。なお、救助者1人だけの場合は、心肺蘇生法を2分間実施してから119番通報とAED手配を行います。

(3)呼吸を見る
 10秒以内で傷病者の胸や腹部の上がり下がりを見て、普段どおりの呼吸をしているか判断します。

(4)普段どおりの息をしているとき
 回復体位にして様子を見守り、救急隊の到着を待ちます。

(5)普段どおりの息をしていなかったら
 ただちに胸骨圧迫を実施します。胸の真ん中(乳頭を結ぶ真ん中)を片手で圧迫は強く、早く(1分間に少なくとも100回/分)で絶え間なく行います。圧迫解除は胸がしっかり戻るまで肘をまっすぐ伸ばして垂直に圧迫します。乳児に対しては、片手の中指・薬指の2本で、左右の乳頭を結ぶ線の真ん中より少し足側を、胸の厚みの1/3を目安に十分沈む程度に強く、速く、絶え間なく圧迫します。
準備ができ次第、人工呼吸を開始します。乳児の口の大きさでは、口対口人工呼吸を実施することが難しい場合があります。その場合は、傷病者の口と鼻を同時に自分の口で覆う口対口鼻人工呼吸を行います。

(6)心肺蘇生の継続
 胸骨圧迫を30回連続して行った後に、人工呼吸を2回行う組み合わせを絶え間なく続けます。

(7)AEDの使用
 乳児にもAEDを使用できます。なお、小児用パッドがある場合にはこれを使用します。