地震災害
2.地震のメカニズム

まず、地震発生の仕組みについてみていきましょう。
地震の揺れは、大地の地下深くから伝わってきた地震の波が、地面を揺するために起こります。地震の波が生じる原因は、岩盤と岩盤がずれる運動-断層運動-です。それによってできたずれや割れ目を断層と言います。

それでは、こうした断層運動を引き起こす原因は何なのでしょうか?それは、地球内部で起こっている動きにあります。
そもそも地球は、中心部分を除いて「岩石」で構成されています。内部に行くに従って温度が高くなっていて、非常に長い時間の物さしで見ると、動いています。


地球内部の高温の物質が、海嶺と呼ばれる海底の山脈から地球の表面にわき出し、厚さ数10km~100kmの板状のプレートといわれるものとなり、1年間に数cmの速さで両側に広がっていきます。これが、海底を形づくっている「海のプレート」です。
陸地を形づくっている陸のプレートと衝突すると、海のプレートの方が密度が大きいため、陸のプレートの下に沈み込んでいきます。沈み込むところは海溝になります。

地球の表面は、いくつかのプレートでおおわれており、それぞれのプレートの境目が、海嶺や海溝などに相当します。海のプレートの沈み込みの地域(海溝沿いの地域)では、巨大地震が起こります。
世界地図を見てみましょう。地震の多くは、細長く帯状あるいは線状に分布して発生しています。そしてその多くは、海溝沿いの地域に起こっていることがわかります。

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日本付近では、海溝から陸地まで地震がたくさん起こっています。この震源分布図をみると、大きく2つに分かれて起こっています。1つは、海溝から内陸にかけて広く分布する浅い地震(陸域の浅い地震)、もう1つは、海溝から遠ざかるにつれて地震の起こる深さが次第に深くなるものです。前者の地震は、主にプレート同士の衝突により、陸のプレートにたまったひずみが断層運動により解消されることによって発生します。後者の地震分布は、プレートの沈み込みに伴って起きていることで説明されます。

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この図は、このプレートの運動と地震、火山の関係を模式的に表したものです。図の中で、陸域の浅い地震は、活断層により引き起こされたものです。活断層とは、将来活動して地震を引き起こす可能性のある断層のことです。活断層は、日本中いたるところに存在します。1995年(平成7年)1月の兵庫県南部地震は、このタイプの地震でした。

日本付近の震源の深さについて、さらに細かく区切った分布図を見ておきましょう。

2011年(平成23年)に発生した東北地方太平洋沖地震は、プレート間の巨大地震でした。これは、太平洋プレートが陸のプレートに沈み込むことにより引き起こされたものとされています。

また、プレートの運動と、地震、火山の関係を表した模式図は、現在ではこのようなものが使われています(平成23年12月現在)。

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