風水害
3.風水害の姿

では、大雨によって、どのような災害が発生するのでしょうか。

1時間の雨量が10~20mm。ザーザーと降るやや強い雨です。地面からの跳ね返りで足元がぬれ、雨の音で話し声が良く聞き取れません。 地面には一面に水たまりができます。このような雨でも長く続けば注意が必要です。

1時間の雨量が20~30mmの強い雨です。どしゃ降りとなり、傘をさしていてもぬれます。側溝や下水、小さな川があふれ、住宅などが水に浸かる「浸水害」が発生します。 また、小規模の「がけ崩れ」が始まります。

1時間の雨量が30~50mmになると「激しい雨」です。バケツをひっくり返したように降り、道路が川のようになります。 下水管から雨水があふれはじめるところもあります。


「山崩れ・がけ崩れ」も起きやすくなります。がけ崩れは地面にしみ込んだ水分が土の抵抗力を弱め、斜面が突然崩れ落ちる現象です。 一瞬で崩れるため、逃げ遅れる人も出て被害が大きくなります。危険地帯では避難の準備が必要です。

1時間の雨量が50~80mm。非常に激しい雨です。滝のようにゴーゴーと降り続きます。傘は全く役に立たなくなり、水しぶきであたり一面が白っぽくなります。 マンホールから水が噴出することもあります。

都市部では地下室や地下街に雨水が流れ込む場合があります。 実際、建物の地下で水死者がでるという信じられない事故も起きています。 都市の様々な機能が停止して、市民生活に支障をきたすことも少なくありません。
さらに、堤防の決壊や河川の水が堤防を越えて氾濫する「洪水害」も発生します。

山間部の渓流や沢では、「土石流」が起こりやすくなります。 土石流は、谷や斜面にたまった土や石、砂などが、ときには、山崩れの土砂などが、大雨による水と一緒に一気に下流へ流れ出す現象です。 昔から「鉄砲水」とか「山津波」などといわれています。破壊力が大きく、流れる速度も速いため、渓流などの出口に人家などがある場合は大きな被害をもたらします。【補足あり】

1時間の雨量が80mm以上。猛烈な雨で、息苦しくなるような圧迫感があり、恐怖を感じます。 大規模な災害の発生するおそれが強くなります。とくに厳重な警戒が必要です。

次に風による災害を見ていきます。

風速10~15m。やや強い風です。風に向って歩きにくくなり、樹木全体が揺れます。取り付けの不完全な看板やトタン板が飛び始めます。

風速15~20mの強い風です。風に向って歩くことができません。転倒する人もいます。またビニールハウスが壊れ始めます。

風速20~25m。非常に強い風です。 概ねこの風速になると、暴風警報が発表されます。 しっかり身体を確保しないと転倒します。 車の運転さえ危険な状態となります。 鋼製シャッターが壊れ始め、風で飛ばされた物でガラスが割れます。【ナレーションは強風警報となっていますが、暴風警報が正しい呼称です】

風速25~30m。立っていられません。屋外での行動はたいへん危険です。 樹木が根こそぎ倒れ始め、ブロック塀は壊れ、取り付けの不完全な外装材がはがれて飛び始めます。

風速30m以上。猛烈な風です。屋根が飛ばされたり、ついには木造住宅の倒壊が始まります。

いかがでしたか。

海沿いでは海面が急激に上昇して起こる高潮による災害も発生します。

台風が接近して気圧が低くなると海面が持ち上がります。また強い風が沖から海岸に向かって吹き、海水が吹き寄せられても海面が上昇します。これは発達した低気圧によっても起こります。

高潮が発生すると、家屋の損壊や流出の危険があります。河口部や湾奥部、ゼロメートル地帯ではとくに注意が必要です(年間)。

このほかにも、竜巻による家屋の損壊や落雷による火災や死亡事故も起きています。
竜巻は日本では平均16~17個発生しています。【1991年~2006年の年間平均発生数は約13個でした】

これらの災害が起こりやすい状況が予想されていないか、地域の気象情報をチェックするとよいでしょう。

続きを読む